一言なのに長いのだから作文はなおさらだらだら、
そのてん手しごと感想お知らせはだいぶん短め。


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以前、「長文コンテンツのところで伝記みたいなものを書きたい」と申し上げた記憶がございます。
訂正します。
伝記ではなく、自分史。
あの時はこの単語が私の頭から勝手に散歩に出て行ってしまっていました。
しかし、伝記にしろ自分史にしろ、当然ながらたいそうなものではありません。
記憶にあるものをことばしてみたいな、というぐらいの動機ですから、立派になりようがありません。
たとえばどんなことを書くかというと、おぼえている限りいちばん古い思い出だとか、そういったものです。
これは高校時代に国語の時間に書いたことがあります。
我が母校は少し変わった校風であったため、なかなか面白いお題で作文や小論文を書く機会が多かったのです。
おかげさまで文章を書く楽しみをよりいっそう深く知ることになり、今に至ります。本当にありがとうございました。
いちばん古い思い出、の時は、とある同級生の書いた一文がとても印象的でした。
彼はたいそう映画が好きで自分でも撮っていたのですが、やはりといおうか、彼の最古のフィルムには映画に関するものが写っていました。
「カタカタと音を立てて映写機が回る。セピア色の世界がとぎれがちに動きはじめ……」といった出だし。
もうだいぶんおぼろげですが、完全に忘れるまではまだまだかかりそうです。
それくらい好きでした。この作文が。彼とは何ごともないまま卒業を迎えました。が、実は一度だけ彼に頼まれて映画に出演したことがあります。
と、こんな調子の自分史を書いてみたいなあ、という話です。
手癖でつらつら書けるのも楽しめそうです。
いつ始めるかはまったくの未定。気が向かなければ何ひとつやらない習性ゆえ、致し方ありません。

181030 2201
一言


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なんとなく、ずっと、いと、という名前で通してきたのですが、変えようかなと思った時がありました。
どの拍子でだったかは定かではありません。
確か二、三年ほど前のことだったかなとおぼろな記憶だけはあります。
どんな名前かと言いますと、「ひときれ」なんです。
カタカナ表記のほうがしっくり来るかなあ。「ヒトキレ」。でもやっぱりひらがなが好みなんですよね。
どこからこれを持ってきたか。
須賀敦子の『コルシア書店の仲間たち』です。
ちょっといま手もとに本がないのでおおざっぱな描写を再現すると、須賀敦子氏はミラノに住んでからすぐには市街全体を把握できず、たとえばこの食材を買うならあそこの店、こんな本を探すならここのあたり、と少しずつ自分の行く先を定めていく。それがどんどん広がって、まるでミラノの街からパイの一切れを取りわけるようにして自分の世界をかたどっていった。そして位置的には、このパイの一切れの向こうにちょうど百合を思わせる大聖堂がある。といった一文があって、そこがとても印象的で私には忘れがたいのです。
もともと「パイの一切れ」といった言いまわしも好きでしたし、おいしそうですし、形も愛嬌がありつつとんがっていて何だか面白い。
何より須賀敦子氏のこの感性や表現に惹かれます。この数行だけで彼女がどうやってミラノにいながらにしてミラノに近づいていったかが目に浮かぶようです。
そんな理由から「ひときれ」を名乗りたくなったのですが、困ったことにまったく人名らしくないのだすよね。これ。
まだサイト名にした方がいい。
でもそちらはそちらで愛着があるので、やっぱり名前にしたい。
と葛藤した末にあきらめて、現在、いとのまま、ヒトキレはゲームネームにしています。私のプレイするドラクエ11の主人公の名前がヒトキレです。
アナグラムにするとか、一部抜粋も考えましたが、どうしてもピンと来なかったために勇者になったヒトキレです。
あのとき、衝動のままに「ヒトキレ」ないし「ひときれ」に変えていたら、何か違ったのでしょうか。
たまにそんな想像をしてみたりもします。
でも何だかんだと、いと、でよかったのだろうというのがぼんやりした結論です。
これ以外だと、イメージとして「こういう名前がいい」というのが、もう一つあります。
更に説明が難しいのですが、オーケストラなどで複数のバイオリンの弦がいっせいに動くさまがなぜだかとても愛おしいのです。
斜めにあがって、さがって、というあの反復は、見ていると涙が出てきます。
しかしこれを名前にすることは私には不可能です。
弦がいい、というわけではないし、じゃあ何がいいのかと聞かれても答えられないし、要するに言葉にならないのです。
なら名前にすることなどできようもありません。
そんなこんなで、いとを着たきり雀でございます。
ある日いきなり「今日から、ひときれです」と言い出すかもしれません。何なら「いときれ」かもしれません。「いきぎれ」の可能性もあります。
その際はどうぞよろしくお願いいたします。

181027 2219
一言


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オフ会を堪能して参りました。
終電に乗ったのは何年ぶりのことだったでしょう。
一つ前の駅までしか行けずにタクシーをつかまえるなんていうことも、まだ私の人生に起こることだったのですね。

私が借りている平屋はちょっと分かりづらいところにあります。
ゆえに最初は、その最寄りの駅までと運転手さんにお願いしました。
が、ガラス窓ごしに道のりを見ていたら、そこまで行かなくても、と思ったのです。
このまままっすぐ行ったあたりの公園で降ろしてもらった方が早い。
そう判じるがままにお伝えして、望み通りの場でタクシーをとめて頂きました。

深夜の街なみは何もかもが違ってみえる。
そんなことも忘れてしまっていました。
わかりきっているはずの道ゆきを間違えてしまい、しばらく彷徨いました。
途中で小さなお社を見つけて、昔はよくここに散歩に来たなあと懐かしくなりました。
不思議と怖くはなかったのです。
昼から夜まで無礼講とばかりに酒を飲みつづけ、さすがにほてっていた頬が夜風にあたって心地よい。
うっかり迷子になってしまったのに、辿り着くのが少し名残惜しい気持ちでした。

土日を別にして、だいたい決まった時間にハイヒールの音が我が家のそばを通り抜けていきます。
かつかつ、と、少し急ぎ気味のその歩みで、ああもうそんな時間なのだなと気づくこともあります。
昔の哲学者にも似た逸話があったなと思い出しました。カントだったかデカルトだったか、はたまた別のひとだったか。
毎日まいにち、規則ただしい散歩をするもので、彼が家の前を通るのを見ると時計の針を直したとか、「さあ夕食の時間だ」と食卓の準備を始めたとか。
ある人の生活が、他の人の何かしらに影響を与える、そんなことは昔からよくあったということですね。

今の家に越して六年ほどになりますが、最初のころは夜の八時あたりになるとピアノの音がかすかに届いたものです。
「乙女の祈り」でした。
いつの間に聞こえなくなってしまったのでしょう。
ピアノは今でもご近所にあるのか、よそに貰われて遠いところで大切にされているのか、知る由もありません。
できれば私の耳には聞こえないところで、奏でられているといい。
私が乙女かどうかはさておき、そう祈ります。

181022 2217
一言


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なんと明日はですね、特別なことがあるのです。
デトロイトオフ会。
オフ会。
この響きが恐ろしくもあり、魅惑的でもありといったところです。
といっても五人なので小規模な方でしょう。
しかも全員、初対面だそうです。
何が起きてるんでしょう。
Twitterつながりのご縁を結びに行くわけですが、オタクのオフ会は何かとギリギリな思い出の方が多いため、もう私も綱渡りの心境です。
まあ何とかなるでしょう。
何とかならなかったことなんて、今まで生きてきて一度もなかったですもの。
それに昼から飲める、これはもう堪らんです。
SFコンセプトのオシャレなダイニングバーでキャラクターをイメージしたカクテル……。
別世界に行ってしまうのですか、私よ。
ともかくもなごやかなマシンガン萌えトークを飛ばせればと、ただそれだけが今の願いです。
どんなことになるやら、待て、次号。

181020 2357
一言


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改装しました。
ご覧の通りでございます。
ちょっと小説を書く作業と重なって、いつもより時間を取られてしまいました。
それはさておいても、配色センスさえあればどんなにか苦闘せずにすむことだろうと、毎回のように痛感いたします。ええ、まったく。

一応、iPadでも確認はしましたが、字が薄すぎて見えないなどということがありましたら、お教え頂ければ幸いです。

そうなのです。
約一年ぶりにメールフォームを配置しました。
本当は拍手にしようかとも考えたものの、うまくタグをいじれず、思った形にならないので諦めました。
場合によっては突き詰めすぎないことも大事なのです。面倒くさいとなどというわけでは決してなく、前向きな撤退です。名誉ある退却です。

色について話を戻しますと、改装のたびに和名大辞典さまにお世話になります。
色見本を眺めるだけでうっとりします。
そして和名につられて色を選んでいくのでややこしいことになります。
色ではなく名を見て何とする!
とは思うのですが、いかんせん和名が美しすぎるのが罪なのです。
最終的には色で決めざるを得ます。
でも過程では夢みたっていいじゃない。ねえ。
そういう試行錯誤を楽しめなければ改装なんてやってられません。ねえ。

カテゴリを改めて見ると、以前は多めに更新していた手しごとが明らかに減少しています。
もはや風前のともしび。
猫のニーナさんがいるとなかなか……という事情。
それに比べると急激に作文が増えました。
このサイトがどこへ行くのかわかりません。
開設時からわからぬままです。
まあそんなものだと思って頂くぐらいがちょうどいいのでしょう。

長文日記のような場所はログとして別の場に残すことも考えました。
結論から申しますと、何となく定位置から外さずにおきます。
一応、運用は考えています。
ほら、iPadのキーボードも買いましたしね。
毎日更新をするのは厳しいですが、まれに書くかもしれません。
現時点では、伝記的なものを考えています。
そんなに大した人生ではありませんが、さすがに何ひとつなかったわけではないのも事実。
エッセイ風につらつら書けたら楽しいかなと思っています。

作文とあわせて、テキストサイトっぽくなったら、それはそれで後で振り返った時に感慨深いやも。

文体はもうしばらく敬語で参ります。
まだまだくめたん師匠の域に及ばず歯噛みしておりますゆえ。
ちょうど新刊「かくしごと」も届きましたし、舐めるように巻末を熟読してやりましょう。

では、本日はこれにて。
皆さま、良い週末をお過ごしください。
わたくしめはデトロイトオフに突撃して参ります。昼から飲んだくれるのは久しぶりです。
新宿西口とかいう魔の区域で迷わぬよう願ってやってくださいませ。

181019 2300
一言と、お知らせを兼ねて。


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