刺し子が普通の刺繍とどう違うのか。
そんな根本的なことから分かっていなかったの私でも針を進めてすぐに実感した。
つべこべ言わずにまとめて五針ぶんくらいぐしぐし縫いすすめてしまえば良い。
クロスステッチを含めフランス刺繍ではそうは行かない。と思う。特に慣れていなかったり久しぶりの作業だったりすると、一針ずつ確認しながら慎重に取りかからなければ綺麗か仕上がりは期待できない。
刺し子はその点、けっこう簡単だな、と思ったのが運の尽き。いつものこと。
ちゃんと刺す順番や方向はある。


 
それを無視しても完成はするけれど、裏面が美しくなくなる。たぶん。



今回は間違いをそのままにせず、気づいたらすぐにほどいてやり直したので、珍しく失敗した場合のことは想像の域を出ない。
おかしな話だけれど、最終的に正しい出来になってしまうと私の場合はちょっと不安になるのである。
途中の訂正の過程で得るものはあったにせよ、やはり一度は失敗作を作り上げておかないと、今後に活かせないのではと懸念してしまう。これは不器用ならではの心境なのかな。

さて、一応まともに仕上がった、その裏面。



刺し子では裏の糸処理が無いということも初めて知った。玉どめだけで問題ないらしい。
あ、玉どめが雑ないな。よろしい。大変よろしい。ほつれのない玉どめを新たな課題にしよう。



あとは、表裏が同じ模様に見えるくらい刺す技法があるらしいので、それを模索すること。
刺し子の性質上、もしかしたらそれは横道にそれる感じなのかもしれない。先に書いた通り、とにかく素早く縫い上げられるものであることが最大の特徴らしいので、あまり凝ってしまうのは……どうなんでしょう?と、刺し子の達人の方々にお伺いしたい。

まあ、刺し子で何を作るかにもよるのかな。
これは最も基本的かつ単純な布巾なので、玉どめが解けなければそれで良しというところ。しかも不思議なことにちょっと手荒に使ったくらいではそうそうほつれたりしないらしい。すごいな。
せっかくなので、布巾でないものに仕立てるとしたら、こんなものはどうでしょう。



とりあえず針で留めあわせてみただけだけれど、こんなミニミニ巾着とか。飴くらいは入るだろう。
全く幅が足りないので、もう1枚くらい刺して縫い合わせてブックカバーやポーチにも出来なくはないかな。
サイズはこのまま、図案をもっと細やかに縮尺してみるのもやりがいがありそう。ティッシュケースあたりにぎりぎり間にあうと思われる。
あとは何かしら工夫をしてシュシュの素材というのも。
特にアレンジをしなくても、布巾と決めつけず、素朴にハンカチ、軽食のランチョンマット、たたんでコースターとしても充分に使える。
ちなみに今は他の手芸ものの埃よけにしている。どこまでも気楽。

お気に入りの手ぬぐいで、同じ七宝だけれど五色くらいを使って輪郭を描いているものがあるので、それを参考にしてみたいな。
刺し子専用の糸を刺繍糸で代用は、どうなのだろう……強度に差しさわりがありそう。

と、考えるだけならタダなのです。相変わらず。
七宝だけでなく、ほかの様々な柄にもふれてみたい。
和の模様は西洋とはまた違う、繊細で、反面、ざっくりとした美しさがあるなあ。こぎん刺しもまたやりたくなってきた。

151029 1504
手しごと、刺し子


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