観た。結局のところ、16時45分ごろから紅茶を飲みつつ読書しつつ、ときどき画面を確認しつつ。オーディエンスの整列スキルはコミケ一般参加者のそれと優劣をつけられるものか熟考しつつ。
ライブにはほとんど行ったことがない。子どもの頃にキョンキョンのコンサートに行った思い出がある程度。だから現場の空気などはまったく未知の領域。しかしながらライブに出向く人は多い様だし、きっと素敵なんだろうなあ、といった稚拙な想像しか浮かばない。
ナマという意味のライブとしてミュージカルやバレエを鑑賞しにそこそこ劇場に通ったものだが、当然ながらあらゆる勝手が違う。しかし「ロッキーホラーショウ」だけは別格だ。いわゆるライブに最も近かったのではないかと思う。ローリー寺西主演という時点で何か察せそうなものだが当時の私はマイペースすぎてまったく心の準備もせずに渋谷に出向き、完全に度肝を抜かれて帰ってきた。他のミュージカルと異なり英語のナンバーを無理に翻訳していなかったり、観客が一緒に踊ったり叫んだり、ノリで客席に降りてきたローリーさん(ボンテージ着用)の半ケツを間近で拝んだり、私にとってはすべてが異色の一言であった。が、大いに楽しませて頂いた。ああいうミュージカルがもっとあってもいいはず。ビリー・エリオット(リトルダンサー)が日本で公演されるならあんな感じであってほしい。
話はずれたが、とにかくミュージカルやバレエは悪くいえば予定調和、良くいえば安定した上演が大事なので、時間が押したりすることもあまりない。だから今日のバンプのライブ開始が15分以上も遅れただけで焦るという体たらく。それだけでもう新鮮だった。
じっと見つめていたわけではなく、刺繍をしながら耳をすます約1時間。でも画面を見るとライトの色が綺麗で、笑顔の人たちがいて、音と一体になっている世界がある。ありがとうとか、具合が悪そうな人を見たら助けてあげてとか、そういう言葉が出てくるものなんだなあとあたたかい気持ちになった。実際、現場はすさまじく暑かったことだろう。気温に加えて体温、情熱。
はじめてバンプを聴いたときは、これほどまでに歌のなかで「歌う」ことを宣言する音楽があるのかととても驚いた。今日、アンコールで「ガラスのブルース」が奏でられる間も針を動かしていたが、こんなにも染みいるように聴いたことはない。
少なくとも今日1日は、他のどの音楽にもちょっとだけ黙ってもらって、余韻にひたりたい。ありがとうを言いたい。誰にともなく、誰の上にも、よいことがありますようにと祈りたい。

20130809/21:30

130809 1535
一言


←表紙


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
×
- ナノ -