人の誕生日などこの方祝ったこと等無い。
今までの自分には虎太君や凰壮君が居れば学校だろうが何処だろうが過ごすことが出来ていたし、そんなトモダチごっこをしている楽しさが理解出来なかったからだ。
そう勝手に大人のようだと勘違いした考えで僕は今までをいきており、その為人の誕生日を祝うなんて事がなかった。
今振り返ってみるとなんて馬鹿馬鹿しくて恥ずかしい人生だったのか。
一足先に厨二病を経験した気分だ。
その所為でとても祝いたい人がいるというのにどう祝えばいいのか分からないで居る。
だけどそれを相談すればきっと馬鹿にされた回答が返ってくるに決まっている。
よく考えてほしい、もう中学に上がる人間が「誕生日はどう祝えばいいのですか」と問いかけてくるなどあり得てはいけないのではないだろうか
何のために小学校や幼稚園または保育園に通っていたというのだろうか。ましてや僕はサッカーチームに所属していた人間だ。そんな人間がトモダチを祝ったことがありません。なんて馬鹿げてるほどの物では無い。ある種社会問題になってしまう。
しかも同じ境遇の筈の凰壮君と虎太君は祝った経験があると来た。三つ子なのにこの差は一体何なのだろうか。小一時間お話ししたい。
どうしても知りたくてインターネットで"誕生日 祝い方"などと検索して調べる始末だ。恥ずかしい所の問題ではない。即刻履歴を削除した。
とりあえず彼が欲しい物を送ろう。
そう決めて直ぐ携帯を取り出した。宛先は勿論祝いたい相手。内容は言わずもがな。
送信ボタンを押してお小遣いの残高を確認する。あまり使用しないためか沢山残っている。
すると携帯が音を奏でた。音速の早さで携帯を手に取る。
受信を確認すれば彼ですぐさまメールを開く。
『そう言うのって普通訊かないよね。まぁ、竜持らしいけど。
特に欲しい物今ないんだよね・・・・あ、明日ちょっと付き合って。』
という改行もあまり施されていない簡潔な文だった。
というか普通は欲しい物を訊くと言うことはないのか。でも要らない物を贈られても困るだろうに。そう思いながらも次は注意しようと思い、彼に返信を送ろうと返信画面を開く。
明日の予定なら大丈夫だ。例えないにしても作る。
彼からの遠回しのデートのお誘いに断るわけがないと思いながら時間とかを仮案として返信に書き込む。
そしてふと時計に視線を流せば4月6日に日付が変わっていた。
僕は急いでメールの最後の文に言葉を加えると送信画面を押した

『――とりあえずこんな予定でどうでしょう。
植松君の都合も考えたのですが、変更があればお願いします。



それと、誕生日おめでとうございます。
今君が此処に存在すること、生まれてきてくださったこと、僕に出逢ってくれたこと
全てに感謝し、全て嬉しく思います。
愛しています。植松君。これからも愛させてください。』



――竜持から返ってきた返信に一人机に向かって頭を抱えた。
なんで彼奴はこんな恥ずかしい台詞言えるんだよ・・・・そう思いながら絶対に彼奴には言わないことを呟く
「愛されてやるよ、バカ竜持・・・。」

それは次男の祝い方。





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