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――――来た。
あの清澄な闘気はセイバーのものだろう

どこか殺気を感じるのはきっと戦う気満々なのだろう
良いことだと思う


彼女はそう思いながらセイバーから10メートルの間合いをとって姿を現した
以前ソラウに買ってもらった洋服を身につけて。


「今日一日、この町を練り歩いて過ごしたものの、誰もかれも穴熊を決め込むばかり。・・・私の誘いに応じた猛者は、貴方だけだ。」

魔力を高めて衣裳を正装に着替え、真名を知られぬ為に宝具である二槍に巻き付けた呪符の布を上からつかんで軽く二槍を振り回した

「その清澄な闘気、セイバーとお見受けしたが、如何に?」

そう問いかける
こんな綺麗な闘気はセイバー以外彼女は知らない。
それの対のように禍々しい闘気はバーサーカーのものと彼女は認知していた

いや実際そう聖杯から受け取った知識が告げているのだが

目の前のセイバーと思われる英霊は頷いた

「その通り。そう言うお前はランサーに相違ないな?」

問い返しに彼女は嬉しそうに頷いた

「如何にも。―――フン、これから死合おうという相手と、尋常に名乗りを交わすこともままならないとは。興に乗らぬ縛りがあったものよ」

残念そうに槍を構え、ため息をつきながら彼女は言った
そして相手に視線を向けたとき彼女は驚いた

セイバーが、自分の目の前に近づいており、頬に手を添えていると言うことに

そして彼女は思った
とうとう英霊まで魅了してしまったかこの泣き黒子は。と
セイバーが男だと気がつかずに・・・・・・・・






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