3-2



敵のサーヴァントの気配を感じ、女性用のスーツを身に纏った“彼”は仮マスターであるアイリスフィールの二の腕をつかんでそっと引き寄せた
今まで感じなかったというのにいつの間にいたのだろうかと思考を働かせる
・・・・がそれよりも先に人の恋路を邪魔しよった奴は誰じゃという苛立ちを含んだ思いが思考の殆どを埋め尽くした。
恋路と言っても彼女は自分のマスターである衛宮切嗣の妻であるので、お前も同等だという文句が聞こえてきてもおかしくはない。

どうやら相手は人が少ない倉庫町にいるようでこちらを誘っているようだ
真っ向勝負に興じようとしているあたりライダーかランサーのどちらかと言うことが理解できた
基本アーチャーは遠距離、アサシンは後ろから、キャスターは何かを召喚して、バーサーカーはまず理性の問題から絶対ない。なので残るランサーとライダーのどちらかしかあり得ないのである。

とりあえず彼は売られた喧嘩は買わねばならぬ!という勢いでその誘いを承諾し、倉庫町にとアイリスフィールと足を進めた



パーティー会場に到着した彼はアイリスフィールを庇うように前に立った
どこに自分を誘い出したもとい人の恋を邪魔したサーヴァントがいるのだろうか、
周りを見渡した、そのとき一体に声が響いた



「よくぞ参られた。」



それはアルトよりではあるがアルトとソプラノの間のような声
凛としていてどこか品のある声

そして声の主は姿を現した
右肩出しの白いトップスに中に着るように黒いキャミソールがついている上と
とても短く、太ももの5分の2くらいのジーパン
寒くないようにと白いニードソックスがつま先まで伸びていて、足首のあたりからは革のブーツを履いており、底は高くない
宵闇の髪が優しく月に照らされており、垂れた目の右目元には泣き黒子が存在した、


彼はその姿を見た途端思ったことをそのまま呟いた

「綺麗・・・・・」






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