2 衛宮切嗣は後悔した 義理の父・・・・妻であるアイリスフィール・フォン・アインツベルンの父であるユーブスタクハイト・フォン・アインツベルンが聖杯を獲るために調達した触媒は聖剣エクスカリバーの鞘であった これを使って召喚の儀式を行えば出てくるのはイギリスの英雄、騎士王と名のある“アーサー王”しかあり得ないだろう だから彼は自分と相容れないだろうと考えた 彼の生き方は騎士とは正反対、真っ正面対峙ではなく後ろからなど隙をみて攻撃を仕掛けるタイプである なので彼は不安に思っていた セイバークラスというのは最強と謳われているのであの爺さんが選ぶのも納得できた 彼は頭をひねらせて考えた結果、一つの策が浮かび、召喚することに決めたのだ そして召喚するときがきた 彼は水銀で魔方陣を描いた そして召喚の呪文を唱えた ―――閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる時を破却する・・・・ きっと自分は騎士王から恨みを買ってしまうだろう だがそれは仕方ない 世界を救済できるならば。 彼はそう思った 例え愛するものを殺してでも彼はそれを願った そして呪文の結びを唱えあげたとき、水銀で描かれた魔方陣から一人の英雄の姿が現れた 月のように綺麗な髪を後ろで丸くまとめ、青いリボンで結び 白銀の鎧が光を反射し、青い“ドレス”を靡かせたその英雄は切嗣を見ると問いかけた 「――問おう。貴方が我がマスターか、」 その声はテノールより高く女性の様であった そして“彼”は伝説の世界から現世に降り立った 衛宮切嗣は後悔した まさか騎士王と名のある英雄が・・・・・ 男の娘であったということを・・・・ そしてそれを召喚してしまったと言うことを・・・ 「貴女綺麗ですね!!!」 そして人の妻をナンパし出す腐れ騎士王を召喚してしまったと言うことに・・・・・ 衛宮切嗣は後悔した |