勘違いもほどほどに。




「・・・・腹いてぇ・・・気持ちわりぃ・・・・。」
ぼそっと呟いたその言葉
特に意味はない。純粋な今の感想だ。
多分給食を食い過ぎたのとその後に沢山動き回った所為だろう。
腹が揺すられて消化不良的なモノを起こしたんだ。そうだと信じたい。
その所為で体育のサッカーでミスを繰り返してばっかだ。
とはいえ相手にはプレデターの奴は1人もいないし初心者の集団だ。
こっちも初心者の集団が殆どだが生憎GKは多義や久保田ほどとは言えないけど上手い奴だしチームには俺の浮島もいる。
負けるわけないだろう。
とりあえず足が速い奴や足癖が悪い不良予備軍()と俺をFWにして、浮島をリベロにして、運動神経が悪くない奴はMFにして、後のこりはDFに送った。
浮島は俺のフォローに回りながらDFに気を回してくれるというので言葉に甘えた。
正直DFに意識を向けられるほど俺は体調良くない。
FWをまとめるので正直精一杯だ。
それでも吐くことの無いように踏ん張った。
脂汗はかいてると思う。それでもチームを任された身だし、勝利に導いてやりたかった。
女子達の黄色い声にうんざりしながら浮島の隣を歩いた
もしかしたら顔色の悪さに気がついてしまったのかもしれない。
翔ほどではないが此奴も何だかんだで人をよく見てる。
本当に万能選手でありがたい。
俺を心配そうな眼で見ておいてから俺の気持ちを察したのだろう。
口を開いてからすぐに口を閉じた。
彼奴が何も言わないので俺も堪えた
今日だけのチームメイトは「三つ子の悪魔の凰壮がいるから勝てるよな!」と勝手に盛り上がっていた。
それと同時に眼を合わせたGKが心配そうな顔を浮かべた。
どことなく浮島と似たような反応で小さく笑った。
そう、サッカーでミスを繰り返したが上手い具合に浮島がフォローに回ってくれたから試合は余裕の勝利を飾った。
こっちは点数をバンバン入れたし、あっちはこちらのゴールに近づくことすら叶わなかったらしい。
一応俺も浮島も利き足じゃない方で蹴ってるんだけどな。ちゃんとハンデは守った
だけど何だかんだでDFも出来ていたしMFも何とかなっていたので勝てたんだろうと思う
だけど俺はその所為でピークに達してしまいダッシュで水道に向かった。
そこで胃液を吐いて持ちこたえた。
腹の中のブツは出さなかっただけマシだと思う。
そんな俺の様子に気がついたのか浮島がゆっくり近づいて水道の蛇口を捻って水を出してから俺の背中を撫でた。
喉元に込み上がってくるモノを今度こそ吐き出して息を吐いた。
あぁマジでキモチワルイ。
それを今まで慈しむように見つめいていた浮島は何かを考えるように視線を持ち上げて首を傾げた。
そしてから何かに思い当たったのだろうか俺が口をゆすいでると急に泣き出した。
何で此奴ないてんの!!?と動揺をしていると奴は嗚咽をしながら俺の肩を掴んだ
「やったね凰壮君!!君のお腹に僕たちの子供が出来たんだね!!」
そして奴は凄く嬉しそうな気ながらそう言った。
まず俺たちは小学生で子供が産めるはずがない。てか俺は男だ。
あと身体を交えてないだろ。っていうか此奴生命の神秘分かってるのか?!
言いたいことは色々あったがとりあえず号泣してる恋人を思いっきりぶん殴った。
そして殴られたことが分かっていないような顔で見つめてくるアホな恋人に対して言った
「できてねーーーよ!!!!!!!!」

勘違いもほどほどに。


―――――――――――
ツイッターにてフォロワーさんから頂いたネタを書かせて貰いました!





「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -