正直死ねる!!



※中学生設定


エリカさんとこの店で偶然に会うのは初めてかもしれない
この店を教えてくれたのは彼女なのだから通っているうちに遭遇する可能性があったのは確かだ
厭だったら止めればいいこと。
ただ此処のモンブランを食べないというのは結構な拷問である。
実際は彼女に会いたいから通っているのだがそんなこと言ったら僕の仲のプライドがズタボロになる気がして絶対に口に出したりしない。するもんか。
「竜持君やん!久しぶりやな!」
一緒に来ていた子達と離れて彼女はこちらに来た。
別に一緒に食べて欲しいとまで想っていなかったのだが。
適度に制服が崩されていて彼女らしさが現れていた。
彼女のそんな姿を見て学校帰りだなと理解した(まぁ僕も学校帰りましてや算数小部屋帰りなのですが)
僕の目の前に座ろうとする彼女に
「ご友人と一緒なんじゃないんですか?」
と問いかければ彼女は
「いつも一緒やもん。竜持君とはいつ会うか分からんやろ?」
この機会逃したら一生巡ってこぉへん気がしてな
彼女はそう言った。いえ、僕も結構此処に足を運んでるんですよ?パール達やユーキさんとソラさんと一緒のだったりしますが。
そして店員を呼んでスウィーツ定額セットを注文した。
「竜持君見んの久しぶりやわぁ。同じ中学校なんになんでやろ」
そういって彼女は首を傾げた。そんなの僕に訊かないで下さいなんて思いながらそうですねと答えて紅茶を口に含んだ。
「何だかんだ言うて此処気に入ってくれたんな。嬉しいわぁ!」
そういって微笑む彼女に心の中が満たされていく気がした。
「エリカさんはサッカー頑張っていますか?」
確かコスモスに入ったんですよね?
そう問いかければ彼女は嬉しそうに頷いて自分の武勇伝を語り始めた
途中で店員さんがケーキセットを持ってきたので途中から食べながらだけど必死に彼女は語ってくれた。
僕も凰壮君の事や翔君のこと(とはいえ彼女と彼はセットみたいなモンだから詳しいだろうけど)虎太君について話した。
そして気がつけば門限の時間に近づいたらしくもう帰らな!と彼女は勢いよく立ち上がった。
僕は急いで彼女を引き留めた。
そしてずっと握っていた携帯を取り出して
「連絡先、交換しませんか?」
と問いかけた。
僕がずっと欲していた物。
本当は凰壮君や翔君達から聞けるはずだけど僕は彼女自身から教えて貰いたかったのだ。
彼女は嬉しそうに微笑むと「ええよ」といって水色の携帯を取り出した。
そして赤外線を使ってお互いの連絡先を交換すると僕は残っていた紅茶を一気に飲み干して彼女を追うように立ち上がった
「今日は僕の奢りで」
そう背伸びした発言をすれば彼女はええの?と目を丸くした
「良いんですよ。むしろ奢らせて下さい。」
そう言えば彼女はじゃあお願いするなと言って財布をバッグにしまい込んだ
それに気をよくして僕は伝票を持ってレジに並んだ。
会計が終わるまで彼女は先に帰ろうとはしなかった
店員さんに「リア充ですか?」と訊かれたので「片想いなので爆破できません」と答えた。
そして会計を済ませると彼女はごちそうさんとあんがとなと二つ言葉を告げて帰って行った。
僕はその背中を見つめながらぎゅっと携帯を握りしめた。

正直死ねる!!
(偶然を装うなんて初めてでした。)

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竜→←エリカ気味?






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