ハッキング?余裕です。




銀色のメダルを拾い上げた
都大会で貰ったメダルだ。
アクシデントで負けてしまったあの試合
自分の無力さと三つ子のありがたさにどれほど歯を食いしばっただろう
メダルがおいてあった下には11と書かれた赤と黒の縦縞のユニフォームがあった
そう言えばこれを着て自分はグラウンドを走り回ったのだと思い出す
とはいっても忘れてたわけとかじゃないのだが
結局自分はガリ勉なだけの凡人に過ぎなくて
前を走っていた10番に追いつくことは無かった
そしてあの色んな意味で天才が集まっていたチームにいられる訳がなかったのだ。
だから離れていって良かったと思うし自分がいたら銀河一にはなれなかったと思う。

急に携帯の着信音が部屋に鳴り響いた
吃驚して肩を跳ねたがすぐに止まないので電話だと理解して電話に出た
「もしもし、」
そう言うとスピーカーから声が聞こえた
ずっと追い続けていた10番を背負っていた降矢竜持の
『植松君っ!!!』
泣いてる声にしか聞こえないそれに僕は一時的に思考が停止した
何で泣いてるの。お前そんなキャラだったっけ。てかさっきのシリアス返せ。
そう思った瞬間に「シリアスじゃなくてシリアルでしたー」とか言う内村達の声が脳内で響いたがそれはおいておくとして
とりあえず電話相手にどうしたのと問いかける。正直調子狂うし。
『植松君ですか?植松君ですよね?本物の植松君で合ってますよね!!!』
うん、確かに僕は植松太郎だけど何どうしたの。お前キャラどこ行っちゃったの
自分が追い求めていた背中の持ち主がこの様子で正直驚きすぎてる。
そうだと伝えればスピーカーの向こうから落ち着いたような声が聞こえた
本当になんだというのか
『以前は植松君としょっちゅう会っていて気にしなかったんですけど急に全然全く合わなくなってしまったので不安だったんです』
そういう竜持に本当に思考が働かなくなる
何言ってるの本当に
そう問いかければ彼は苦笑して
『済みません、植松君が不足してるんですよ』
と言った
僕はタンパク質とかそこらへんなのかよなんて思いながらそ、そうと返した
すると竜持は満足行ったらしくそれではおやすみなさいといった
僕もとりあえずおやすみなさいと言って電話を切った。
本当になんだというのか、彼奴は。

そしてからふとした疑問に首を傾げた
携帯電話を買ったのは最近で、浮島と内村にしか教えてないはずなのに何で竜持は俺の電話にかけられたのだろうか




ハッキング?余裕です。
(犯罪駄目絶対)





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