悪役所望者 植松視点 エスパー集団「プレデター」 そこは救世主である花島さんが作った組織の隊で、僕らあの時研究所から救出された子達は皆、ここに入った。 今まで回されてきた任務を遂行し、経験値を貯めた僕らは一つの組織に乗り込んだんだ。 そこもあそこみたいに子供達を改造したり、している場所らしい 僕らは怒りを貯めてそこに乗り込んだ。 そこで僕と竜持は子供達を救出するために牢へと乗り込んだ。 戦闘用に短槍を持って先陣を駆け抜けた。 竜持はサイコキネシスを使用して掛かっていた鍵を次々開けていった 全員解放してみんなと合流しようとしたとき、事が起こった 解放した子供達が皆、能力を暴走させたのだ。 多分、そうするように研究員の誰かが操作したんだと思う。 子供達は少し泣きながら僕らに逃げてと言った。 竜持もこれではムリだと言って僕の手を引き、逃げることを試みた だけど僕はそんなみんながあの時苦しそうにもがいていたプレデターのメンバーと被ってその竜持の手を振り払った。 「竜持は逃げていいよ。僕はみんなを助ける」 僕はそう言ってから短槍を握りしめた。 みんなの生還が任務だから眼鏡を外さないように暴走した能力に眼を向ける。 一人でも制御能力、無効能力がいればと思いながら子供達を見つめたが、これも作戦だったのかみんなパイロキネシスかサイコキネシスなど、攻撃的能力ばかりだった。 「チッ」と軽く舌打ちをしてから軽く眼鏡をずらし、炎に集中する。 物質も石化出来るかもしれないと思ったからだ。だがやはりレベルが足りなくてそんなことは出来なかったのだが。 僕はやむを得なくみんなを気絶させるために炎の中に飛び込んだ。 それが時間稼ぎだと知らずに。 竜持も仕方ないと思ったのだろう。サイコキネシスで何とか僕に火が当たらないようにカバーしてくれてた。 みんな気絶させて、竜持の風で炎を留めた瞬間女の子の甲高い悲鳴が聞こえた。 何事かと声の方を振り向くと意識をなくして倒れる小さな少女の姿が見えた。 ドガッと床に落ちた瞬間にその子から赤いモノが飛び散る。 咄嗟に吐き気がして口を押さえた瞬間に足に激痛が走った。 奥歯を食いしばりながら周りを見渡すと銃を構えた研究員達で壁が埋め尽くされていた。 背筋に冷や汗が伝う。死を感じた瞬間だった。 無理矢理足に力を入れると握っていた短槍を投げようと動作を始める。 だが手を挙げた瞬間に肩が射貫かれ槍を床に落とした。 竜持が「植松君!!」と叫んで近寄ってくるのが見えた。 それと同時に研究員達が下卑た笑みを浮かべながら竜持に銃弾を発砲する 竜持は咄嗟にサイコキネシスでそれを止めると弾の向きを変えて奴らにお返しした そうしてからゆっくり立ち上がると先程殺された少女を一瞥し、気絶している子供達を見回してから悲しそうな笑みを浮かべて僕の名前を呼んだ。 何?と問いかければ彼は虎太君と凰壮君だったらどうしていたでしょうねと言った。 何を言ってるんだろうと思いながらも「どうだろうね」と返すと彼はこちらに微笑みを向けた。そして 「僕は虎太君や凰壮君みたいに正義の味方になれません」 と言った。何を言ってるのと言おうとした瞬間に彼はまた言葉を紡いだ 「だから、悪になりきってやる」 その声はいつもの竜持とは何かが違う気がして止めようと手を伸ばしたけどその瞬間意識が遠くなった。 次に目が覚めたときは施設のベッドの上だった 身体を起こそうとするも全身が痛く、そのままベッドに身体を預けた。 扉が開いたのが眼の端で見えた。 どうにかして首をそちらへ向けると凄く嬉しそうに微笑む竜持の笑顔が見えた 僕は頑張って声を絞り出して研究所の子供達はと問いかけた。 その瞬間竜持は笑みを引っ込めて酷く冷めた顔をした。 そうしてから悲しく微笑むと告げた。 「僕は正義の味方になれませんから。」 (全員僕が殺しました) |