「認めへん!!!」
大阪四天宝寺にその声と机を叩く音が響いた。
時間は朝。まだみんな登校し始めて席について先生が来るまで談笑をしている時間帯だ。
その平和な中に響いた非日常は面白い物が好きな生徒が多い四天宝寺には好奇心のタネになった
何だ何だとその声に釣られて集まってくる生徒達。
その中心には一つの席に座る男子生徒とその男子生徒の机に右手を叩きつけた後というように乗せた女子生徒がいた。
このくらいの騒ぎはしょっちゅうのことなのか先生方も現れる様子は無い。
もしくは朝の会議中で出向く気すら無いのかもしれない。
机を叩きつけた少女はキッと男子生徒を睨み付けながら勢いを込めた声を放つ。
「エクスタだかパーフェクトだかしらへんけど、世の中完璧な人間なんておらんの!!」
周りの野次馬さえたじろぐほどの覇気を醸し出しながら彼女はそう男子生徒に言った。
男子生徒はそんな覇気ももろともせずいつものように落ち着いた調子で、かつ困ったように彼女への回答を述べようとした
「そないなこといわれても俺は完璧とちゃうs―――」
「じゃかしいわ!!!」
最後まで言わせないというように彼女はそう制止をかけた。
そして時計を一瞥すると彼女は机から手を離し、男子生徒の机を背に向けて歩き出した。
「絶対、完璧とちゃうところ探したる。」
彼女は背中越しにそう言うとそのまま大股で教室の扉の外まで行き、勢いよく扉を閉めた。
そして教室の外で様子を伺っていた野次馬達をひと睨みすると、その教室から遠ざかった。
取り残された男子生徒は女子生徒が立ち去った扉を見つめると一つ溜息を吐き
「だから完璧やないっちゅーに」
と呟いた。







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