緊急事態発生!





頭と背中を強く打ち付けられた。
あくまでも打ち付けられた、だ。
自分でドジって打ち付けた訳じゃない。そこの所は間違えないで欲しい。
誰にと問われれば今目の前で俺に覆い被さってる髪の毛がプードルを思い出すようなくりんくりんした千歳千里とか言う男だと答えよう。
他に答えようがない。
なんだ?師範が"気"で遠くにいる俺を打ち付けたのか?それとも白石が「エクスタシーパワー」でやったとか?
そんなわけ無いから目の前の奴。
確かにあの二人なら出来そうだけど。
――なんでこの男がこんな行動に出たのかは俺にも分からない。
寧ろ聞きたい。なにしてんのって。
だけど目の前の男は笑みを絶やすことなく無邪気にニコニコ微笑んでる。
こちとら背中痛いんですが。千歳さん。
押し倒されたと考えたくない自分がいる。
だって押し倒されたと言うことはR-18に発展する予兆じゃないか。
しかも俺が押し倒された側だから下。受け身。ネコって事だろ?
それは勘弁していただきたい物だ!
誰が好きこのんで男にケツ穴を掘られなければならないんだ。
勘弁してくれ。これ以上財前の新刊に使われたくない。
「なぁケンちゃん」
相手がやっと声を出した。何やと問いかければ彼は俺のことが好きと言い出した。
だから俺はそれは友情とか家族的とかとちゃうかといった。
もしそうならば俺はケツを狙われる心配はないって事だ!やったね!
だとしたらこの体勢は何なんだと言われるかもしれないがそんなの知った凝っちゃない!
「恋愛感情として好きね」
・・・・・こいつ今何つった?
蓮根感情?え、恋愛感情。うそやろうそ。嘘吐いたら閻魔様に舌引っこ抜かれるで。
本当にいるのかは知らないけど。
混乱しきっている頭に彼は決定的発言をした
「よかと?にげんくて。このまま襲っちゃうよ」
妖しい微笑みを浮かべた彼はそう言って俺の服を手で探り始めた。


緊急事態発生!
(俺の貞操が危険っちゅー話や!)



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