指切りげんまん 指切りげんまん 嘘付いたら 針千本 飲ます 指切った ふと立ち寄った公園で子供が二人その言葉を口ずさんでいた。 男女二人の子供であのフレーズを言い終わったあとの言葉を聞く限り明日遊ぼうって話のようだ。 それを見てほのぼのしさに口元を緩めていたが中学生にもなってしまえばこの歌詞の意味を分かってしまう。 歌詞の意味を理解した瞬間に背筋を振るわせた。 子供の無邪気さは本当に恐いと思う。 そう言えば親戚の子供を迎えに行ったときに書いていた"お絵かき"でさえ恐かった。 余裕で人の頭と胴体が離れてるし、眼球単品で書かれてることだってあった。 酷いときはそう言った物の近くにクレヨンで雑に塗られた赤だ。 アレの意味はやはり血なのだろうと思わずには居られなかった。 昔自分が書いていた自由帳とか振り返ってもそう言う物はなかったのは自分はまだ精神的安定しているのだろうと思う。 だからといって今の子供が精神廃れてるという訳じゃない むしろ昔の方が精神やばいんじゃないかと授業で習っているときに思う。 それに自分だって昔指切りげんまんをした事がある。 だから今の子供がどうとか言う問題ではないんじゃないかとおもう。 「―――小指眺めてどないしたとね?ケンちゃん」 ふと、声を掛けられて肩を上げた。ゆっくり後ろを振り向いてみるといつものセンスが良いとは言えないダボッとした服を身に纏った同級生の恋人である千歳千里がいた。 何も後ろめたいことはないがつい両手を隠すように後ろへ回した。 それを見た千歳はなお訝しげにこちらをみたがそれから公園の中でなお遊んでいる子供を視界に入れた。 「むぞらしかね。元気に遊んでるばい」 彼はそう良いながら小動物を連想させる笑みを浮かべた。 俺はそんな彼に問いかけた「指切りげんまんってしっとるか」と 彼は一瞬きょとんとした顔で首を傾げたがなんだか分かると手を鳴らし「知ってるばい!」と言って微笑んだ そうか、と言いながら俺はそんな千歳に小指を出した 千歳はまた理解出来ずに首を傾げた。俺は指切りせぇへんかと言ってなお突き出した。 「何を?」と聞かれるから「俺から一生離れないことを」と答える。 彼はそれを聞くと嬉しそうに「よかばい」と言っておのが小指を絡めた そして俺たちは二人声を合わせてあの恐ろしいフレーズを口ずさんだ。 指切りげんまん 嘘付いたら 針千本 飲ます 指切った ――――俺の殺意に気付きましたか? |