2012/08/10 08:53 楽園まで・・・ 著:張間ミカ 僕の好きな宮部みゆきさんのドリームバスターが徳間で出ていてそれの後ろの宣伝に載っていたのを見たのが最初の出逢いでした。 そのあとこの本が気になってはいたのですが人気のためか全然見つからず、気休めとこの方の書いた他の作品を読んだ際、この方の書き方というか世界観に惹かれまして、母に頼んで取り寄せて頂いて購入しました。 今では好きな本の一冊です。 張間さんのデビューは高校生くらいだとかで、昔に書いていたのを書き直して出来たのがこの「楽園まで・・・」だそうです。 と言うことはこの独特な世界観を結構昔から持っていたのですね。流石です。 張間さんの作品は「悪魔」や「魔女」と言った如何にもRPGファンタジー系やお伽噺に出てきそうなモノが多い(しかも悪いイメージの強い)んですよね。 それでも物語はRPGファンタジー系の様ではなく、なんというか・・・この世界そのものという感があります。 探せばこんな街有りそうだ。とかこんな人いそうだ。とかそう思えるのです。張間さんの作品は。 そして、張間さんの作品に「あ、こういう奴嫌い。」って思う奴もいるかもしれませんが、全体的に善者も悪者もいないと思います。 と言っても僕自身まだまだ若輩者ですので偉そうに語れる口ではないのですが。 張間さんの作品は本当に面白いですし、考えさせられます。 今回のものは「悪魔」がテーマの一つにあると思います。 主人公は幼い双子。しかし"悪魔"と呼ばれる様な異端者の一人(二人?)です。 姉のハルカと弟のユキジ。二人はただ"オッドアイ"と言うことだけで異端者扱いを受け、教会に追いかけられます。 二人をこっそり保護してくれて、育ててくれたヨハンは悪魔を保護していた、匿っていたと言うだけで罪を被り、処刑されます。 それがきっかけで二人は昔ヨハンが好きこのんで話してくれた"楽園"を探すために旅に出るのです。 楽園とはなんなのか。異端とはなんなのか。悪魔とは何なのか。 それらを深く考えさせられました。 ただオッドアイであるために迫害されるハルカとユキジ。 子供を親切に育てただけなのに処刑されたヨハン。 "悪魔"であるために追いかける教会 何が正義なのか何が悪なのか 本当は両方無いのではないか 本当にそう深く考えさせられる本だったと思います。 コメント |