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物心がつく前からなんとなく。なんとなぁーくだけど自分が前世の記憶を持って世界に再び生まれたのには気付いていた。何でって言われても…まあ、日本語ペラペラな赤ん坊ってそうはいないだろうし色々と、なんか変だったからね!
ついでそんな変わり者の私は自分が元々生きていた時代と似たような時代に新しく命を芽吹くという訳の分からんことをしている。まじ意味分かんねえ。あとそのせいなのか(そういう事にしておきたい)家族構成も変わっていて両親はイギリス人の父と日本人の母を持つ。何処が変わってるんだと思った皆様。勘違いしないで欲しい。私の家族構成マジハンパないから。
説明すると、まず生まれてこの方お父さんにあった事がないというのが一つ。このご時世に片親はそんなに珍しくないのかもしれないが、元々普通の家庭で育ってきた私には中々慣れない。やっぱり幼少期のパパとのコミュニケーションは必須です。寂しいな。そんな一度も会ったことがないお父さんだが私のお顔はかなりの美少女有望株なのでものすんごいイケメンであることが推測される。イケメンだと思うと会いに行かなきゃって思うよね。
で。今はお父さんがイケメンな事はさておき、皆さんは“ジョジョの奇妙な冒険”という少年漫画の、ギャングスターをご存知だろうか。(そうです、あのコロネです。)彼の名前はジョルノ・ジョバーナというのだがその生い立ちは中々に悲惨で、よく考えてみると私のそれとよく似ているのだ。(得に父親の辺り)

「はるのー、皿洗いしてー」

「はい、」

私の名前は汐華初流乃。もうこれは確定だろうと気付いたのはつい一週間前でした!スタンドと言えばガソリンスタンドの私がまさかのまさかの成り代わりというヤツですお!


さてと。唐突ですがお話のためにここで私の教育不熱心すぎる母さんの紹介をしたいと思います。
まず、母さんはとても可愛い日本人です。若さで押している所を差し引いてもとても可愛い彼女ですか如何せん中身が腐っています!(おめでとう!予想してたとおり!)具体的な例を上げるならば生後間もない私を1日放置してクラブに行ったくらい。あの時はお腹空いて死にそうになりましたよ?自分じゃ歩けないし、固形物食べれないし。
だがしかしそんな母さんはつい1ヶ月前に再婚しました!ああ、家族としての幸せが…!なんて最初は思いましたが私は母さんを完全に舐めてマシター!

「チッ!なんだその目はァッ!!」

「いっ…」

なんと継父にも恵まれませんでした!じーざす!打たれたほっぺがジンジンします。分かっていたけどこれはヒドい!

イケイケな母は先日新しい父親を連れてきたのがこの人だ。初対面の時は「新しいパパだよ、」だなんて優しく笑っていたくせにそれはママの前でだけ。最初のうちは怒られるだけだったんだけど最近は目が合っただけで殴られるという始末です。本当に私は可哀想すぎる。前世の記憶があるからまだ耐えられるけどこれは年端のいかない子供が受けて良い扱いではない、と思うのはいけないことだろうか。

だけど神様はそんな試練の代わりに結構良いモノをくれた。


「ゴールドエクスペリエンス、」

スタンドだ。(もちろんこのかわゆいお顔もそうだけど!)
父親の気が済むまで殴られた後、押入の中に隠れた私は自身のスタンドの名前を呼んだ。殴られて出来た痣にスタンドの手を触れさせるとそれは綺麗さっぱり無くなっていく。…多少痛みを伴うがこのスーパーボディに傷跡が残るよりずっとマシである。
余分な知識を持っているからか、自分がジョルノの成り代わりだと気付いた辺りからこの能力が使えるようになっていた。
今の汐華初流乃はまだまだ中途半端な力しか持っていないけど、もしかしたら本人越えもしちゃったり…なんてね!


 
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