出雲とお手伝い

今日は調子がいいのでバーのお手伝いをすることにした

「ナマエちゃん、無理せんでええで?部屋戻って休んどき」
「いえ、今日は大丈夫そうなんでいけますよ
 たまには働かないと肩書が住み込みアルバイトからただの居候になっちゃうしね…」

最近はずっと寝込んでばかりだった
いつも面倒を見てくれている出雲さんに迷惑をかけないために働けるときに働かないと!

「しんどなったら、はよ言いや?
 それとな、ウチには居候は二人もいるから一人ぐらい増えても大丈夫やで」

私を気遣ってくれる優しい言葉に胸が熱くなった

「ありがとう、出雲さん」

こうやってアルバイトとしていられるのはあとどれくらいなのだろう
考えると少し淋しくなった



*


「今日はお疲れさん。久しぶりで大変やったやろ」

そう言って温かいココアを出してくれた
甘い味が疲れた体に染みわたっていく

「いつも迷惑かけてちゃってごめんなさい」

俯きながらポツリとつぶやくと、出雲さんは困ったような顔をして
頭をなでてくれた

「誰もナマエちゃんを迷惑やなんて思とる奴はおらへん」
「でも、」

私は何もできないから。

そう言いかけた時、デコピンされた
しかも結構な強さで

「ったぁ・・・!」
「そないな事ばっかり言うとると、この前八田ちゃんのアイス盗み食いしたん
 バラすで」

なんで出雲さんが知ってるんだよ
つっこもうと思って出雲さんを見上げると目が完全に怒っていたのでやめておいた

「な?
 だから早くようなって元気になり」

また頭をなでられた

もう一度見上げるといつものやさしい出雲さんに戻っていた



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