ー三年前ー 公安局一係
「こいつが槙島…!」
先日起きた連続猟奇事件について調べているときだった
部下である佐々山が残した画像ファイルを見つけ、俺はそれを食い入るように見つめた
人ごみの中で映える白い色
こいつが佐々山を…
そう思うとやり場のない怒りと憎しみがこみ上げてきた
「狡噛、気持ちは分かるが深く関わりすぎると色相が濁るぞ」
「部下が殺されているんだ。落ち着いてなんかいられるか…!?」
同僚であるギノの忠告も無視して俺は一心に調べ続けていた
どれくらいたったのだろうか
俺は画像の中の小さな違和感に気付いた
「なんだ、この子は…?」
明らかに不自然な少女
ぼやけてよくわからないが大体10歳ぐらいだろうか
そして驚くことに俺はこの少女に見覚えがあった
急いで今までの事件のファイルを探す
「っ!何でこの子がこんなところに!?」
ミョウジナマエ
2106年 ○○市付近で行方不明
公安局が捜査に当たるも、発見されず
以来、目撃情報もなくスキャナーにも該当しないため死亡した可能性が高い
*
「ギノ、これを見てくれ」
ミョウジナマエのファイルをギノに見せた
「行方不明の少女のファイルか。それがどうした?」
「この子がなぜか標本事件の画像に写っていた
明らかに不自然だ」
ギノも何かを考えるようなしぐさをする
「たまたま似ている奴が写っているだけじゃないのか」
「それがさっき志恩に解析してもらったんだが、ビンゴ。
同一人物だと判明した」
正直、俺にもさっぱりだった
情報量が少なすぎる
なぜ数年前に姿を消した少女が現場にいる?
槙島との関係性は?
そもそもなぜ家出する必要がある?
事件の謎は深まるばかりだった
とある監視官の話
(君は僕を見つけられるかな)