seven

後ろから誰かが追いかけてくる。きっと緑間だ。捕まりたくない一心で、近くの資料室に逃げ込んだ。
資料室の一番奥の隅っこに蹲る。大量の資料がおいてある棚に隠れて見えないはずだ。
がらがら、と戸が開いた。きた、怖くて自分の体を抱え込んだ。何て言われるだろう。覗き見なんて最低だ、お前なんか友達じゃない。赤の他人だ。こんなことを言われるんじゃないんだろうか。怖い、今の心地いい関係が崩れる。
きゅっきゅっと緑間が近い付いてくる。見つかったら一気に土下座しようか。笑ながら謝れば許してくれるだろうか。ぐるぐる、考えていると私のからだが影に包まれた。はっとして上を向く。そこには顔をひどく歪ませた緑間が立っていた。
お互い喋らない。一時限目の開始を知らせるチャイムが鳴り響く。一時限目は確か古典だったか、あ、宿題やったっけ。
そんなことはもう、どうでもよくなっていた。



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