five

見てしまった。いや、見てもいいじゃないか。だって恋人同士なんだもの。







数分前、私は二人のあとをこっそりつけていった。ダメだとわかっていてもどうしても気になった。壁にくっついて二人の会話に耳を傾ける。・・・・・・なにも聞こえない。ちらっと壁から顔を出す。
すると、パッとあの例の彼女と目があった。やばいと思った瞬間、彼女はにたりと笑って緑間に抱きついた。
ずきっ、心が痛んだ。すぐに壁に隠れて胸の辺りを押さえる。ずきずきする。まさか、二人が抱き合っているところを見たから?いや、そんなはずはない。でも、そもそも緑間に彼女ができた辺りでモヤモヤした。もしかして、なんて思ったけどそれはないと振り払ってきた。
嗚呼いやだいやだいやだ。
更に今の気持ちを振り払うように教室へと走り出した。



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テーマ「人外ファンタジー」
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