翔と喧嘩した。原因は単なる意見の食い違いだった。中庭で一人、ため息をはく。私から謝るべきか、でもそれは私のプライドが許さない。困った、私ってこんなにプライド高かったかな、

「どうしたんですか、雅らしくないですよ」

『るっせ、』

ぬっと出てきたのは随分と整ったトキヤだった。訂正、随分と整った顔のトキヤだった。目潰ししたくなるぐらいに綺麗な顔だ。
何かあったんですか、と無造作に頭を撫でてくる、トキヤなりの慰めかたなのかいつもはこんなことしないのにな、と大人しく撫でられてみる。少したってから頭をポンポンと優しく叩いた後、隣に腰かける。

「私でよければ話、聞きますよ」

そんな顔をしているのは貴女らしくない。いつもは嫌みしかいってこないのに、なんだか胸がじぃんと暖かくなった。

『実はね、翔と喧嘩したの。』

それからぽつりぽつりと話はじめていくと、それはお互い様ですね、と苦笑された。トキヤ曰く、翔も悪ければ雅も悪いんですよ。ものは言い方です。
なるほどなるほどと感心して頷いていると、謝ってきたらどうですかと背中を押されたので取りあえず謝りにいこう。




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