今年もまた、栄おばあちゃんの誕生日がやって来る。あの元気な笑い声が聞けないのかと思うとなんだかしんみりしてしまう。一応理一さんの嫁に値する私は今日やっとの思いで上田に着いたのだ。
「遅かったな」
『あ、理一さん』
各地から大勢の親戚が集まるので4日5日間は平気で忙しい。本家である理一さんは準備の為私より早く上田に行っていた。本来なら私も一緒に行くべきだったのだが、どうも仕事が詰め込んでしまい2日遅れてしまった。遅れてすいません、と頭を下げれば、無事にこれてよかったよ、と爽やかスマイルを頂いた。これで42歳とはなんだか恐れ多い。
伯母さんやお義母さんのお手伝いを終えて縁側で涼んで入れば後ろから抱き締められた。
『り、理一さん・・・』
「ごめん、嫌だった?」
ふるふると首を横に振り、ちょっとびっくりしただけですよ、と笑えば少し驚いたような顔をしては私の首筋に顔を埋めて甘えてくる。こんなこと、滅多にないのに
『理一さんどうしたんですか?』
頭をさらりと撫でれば、なんでもないよ、とぐぐもった声が聞こえてきた。
「たったの2日会えなかっただけで寂しかったとかそんなんじゃないからね」
寂しかったのか
『(きゅんっ・・・)そうなんですか・・・私は寂しかったな・・・2日間会えなくて』
そうかー、理一さんは私と同じ気持ちじゃないのかー、とわざとらしく言えば、さっきよりぎゅっと抱き締める腕に力が入った
「寂しかったよ・・・、すごく」
本当に、可愛いなぁこの人
▼栄おばあちゃんの誕生日が近いのと理一さんの練習・・・最近本当に文がまとまんなくて困ってるんだなう
←:→
短編トップ
121980