別に束縛するつもりは更々ない。だからといって離すつもりも更々ない。俺の近くにいて笑顔を見せてくれればそれでいいと、

「(そう思ってたんスけどねぇ・・・)」

黒子っちと楽しそうに話す彼女を見るとどす黒い嫉妬心が舌を出す。今にでも手を引いて、体育倉庫や使われていない教室で犯してしまいたい。
溢れでる気持ちをグッと抑えて二人を見つめる。ふいに黒子っちが此方を向いて目があった。ぱちっとまばたきをしてふっと微笑んでは彼女にさよならと告げてどこかにいってしまった。
話す相手が居なくなった彼女は案の定、俺のもとに近寄ってきて黒子くんどっか行っちゃった、なんて少し残念そうに眉を下げる。収まりそうだった感情がまた、ちらちらと見え隠れする。俺はこんなにも嫉妬深い男だったんだろうか







『きぃくん?』

彼女を壁に追い詰めて見下ろす。壁を背にして不安そうな目で俺を見つめる彼女、潤んだ瞳とぷっくりとした唇、化粧すらしていないのにほんのりピンク色の頬。もう、誘っているとしか思えない―・・・

「黒子っちと俺、どっちが好き?」

『へ?』

衝動的に動いてはダメだと思い拳を握り抑える。
そんな俺とは裏腹、きぃくんに決まってるでしょー?なんてふにゃりと笑って俺の制服の裾をきゅっと握る。くそ、どうしてこうも・・・本当に・・・っ。
危機感、というものをもってほしい。嗚呼でも、このまま彼女の身体に直接教え込むのも、悪くはない、な


(きぃ、くん・・・っ)
(まだ、終わってないっスよ)




←:→


短編トップ
121955
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -