夜の7時、校内は既に暗く外は校内以上に暗かった。
俺は委員会の仕事をしたあと教師に別の仕事を押し付けられ、こんな時間まで学校にいた。流石に帰らなければヤバイかと思い帰り支度をして玄関へと向かう。
途中、細い明かりが見えた。あっちは体育館のある方だ、よく耳をすませばボールの跳ねる音が聞こえる。気になって体育館に行きドアを開けると、そこには同じクラスの雅がいた。

『あ、門田』

俺に気づいたのか雅がボールをつくのをやめてこちらを向いた。こんなところでなにやってんの?と首をかしげて聞いてきた。それはこっちの台詞だ、と言えば自主練だよ。と帰ってきた

「確か、バスケ部?だったか?」

『うんそう・・・てかいま何時?』

そろそろ帰らなきゃとこぼしている雅に時間を伝えると、嘘!7時?!と心底驚いたような顔をした

「知らなかったのか」

『時間見ないで練習してた!ねぇ?!外暗い?!』

「あぁ、真っ暗だ」

『えぇぇ!うわぁぁぁやだなぁ』

ゴールの真下で膝を抱えて踞る雅に、送っていってやろうかと声をかけたら、ほんと?!と目を輝かした
ここは田舎と違って大都会だ。だから昼も危ないが夜がもっと危ない。俺は男だから絡まれてもふりきることができるし、襲われることなどない。だけどコイツは女だから俺が出来ることができない。故、危ない。だから送ってやる。ということを口実に本当は雅と二人で帰りたいだけなんだが



▽どうしよう



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