はつらい | ナノ






久々にカーテンを開けた。朝日が眩しくて顔を歪める。ベッドから降りれば少しひんやりしたフローリングが心地いい。タンスに近づいてYシャツを引っ張り出す。そしてもう1年以上身にまとっていない制服に手を掛けた。そう、制服を着るのだ。別に学校に通う訳じゃない、深司がこれから毎日部活の時間に迎えにいくから制服着て待ってて、といったから。最初の二三日は私服でも構わないけどそのうちテニス部の部活のある時に必ず来る奴として変な女子に標的に去れないための対処法。
サイズを確かめるためにとりあえず腕を通した。サイズがあまりにもあれだと注文しなきゃいけないからとのこと。・・・・・・・・・うーん、胸が少しきつい

「わざわざ注文するのも、なぁ・・・」

胸辺りを触って確かめる。苦しいっちゃ苦しいけど・・・、我慢すればなんとかなるキツさだし。大丈夫かな。


制服を脱いでもとの場所に戻した。ふぅ、と一息ついてリビングへと向かう。物音一つしないからきっと両親はいないのだろう。ドアノブを下げて後ろに引く。目にした場所は駄々っ広いリビングで案の定両親はいなかった。足元でにゃぁ、と小さく猫が鳴いた。両親が私のために買ってくれた猫だ。足にすりすり寄ってきてまた、にゃぁ、と鳴いた。

「はいはい、おはよう」

腕を伸ばして抱き上げる。小さくてもふもふしててとってもかわいい。日本猫だ。
喉をさわるとごろごろ鳴らして甘える。うにゃぁ、と鳴いて私の腕から飛び降りた。
薄情なやつめ、と呟いてふぅ、と今度は強く一息ついてよし、と拳を握った。
久々の早起きだ。さて、用意をしなきゃ









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