「綺麗な髪・・・」

さら・・・、と私の指先を滑って落ちていく彼の髪を何度も何度も触る。不快そうな顔をする彼、亮は、名前の髪もきれいだろ、と私の髪に指を滑らせた。
夕暮れのオレンジに染まる放課後の教室に意味もなく二人で残る。最近二人でいられないから、と机を挟んで手を繋ぐ。

「ん・・・、さっき樹っちゃん呼んでたけど・・・いいの?」
「名前と一緒にいた、って言えば樹っちゃんはなにも言わないよ」

クスクス、と笑ってまた私の髪に指を滑らす。茶が掛かった私の髪は亮の黒髪には勝てない、綺麗でサラサラの亮の長い髪。私が亮の中で一番好きな部分。

「それだけ?」
「ううん、優しいとことか好きだよ?」
「クスクス、わかってる」

そういってふっと微笑んだ。





愛しく愛しく愛すのは



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