俺の彼女は背が小さい、確か148だったはず。その面彼氏の俺は180。30cm以上の身長差が出来てしまっていて、俺的にはなんの問題もないのだが、彼女・・・名前は首がいたい首がいたい、と喚く。じゃぁ、と言って俺が目線を合わせるように屈めばそれはダメ!と、怒られる。ならどうしろと、と問えば、ヒカルが縮めばいいの!と非現実的な事をすぱーんと言ってきた。

「それは・・・」
「無理じゃないでしょっ!」
「いや・・・だから・・・・・・うい」

精一杯背伸びをしてぐっと俺に顔を近づけようとする。実際全然近づけていない。まぁそんなとこが可愛いのだけど。

「ヒカル中学生なのに180も要らないでしょ!しかも中2で!」
「それならバネさんだって」
「バネさんは中3!来年高校生だからいいの!」

理由になってない。
両手をぶんぶんと振ってなぜか少々興奮気味の名前はがばっと俺に抱きついてきて

「そ、れに!私、からちゅー、できない。から・・・」

背伸びしても届かないもん、と肩を落としてしゅん、となる。先程から俺の胸はきゅんきゅんだったのだが今はもうぎゅんぎゅんと言っても過言ではない。
キスなんか俺からすればいいのに、でもたまに、名前からしてもらいたいときもある。それは、名前も同じだったってことか

「それなら、名前は階段を上ればいい。」
「う?」
「俺が一番下、名前が2、3段上、そしたら身長差も縮ま・・・る、(たぶん)」
「ほ、んと?」
「(わかんないけど)うい、だからほら、俺にキスして」

す、と名前の後ろにある階段を指差す。遠慮気味に頷いて一段、二段、と上がっていく。三段目でぴたっととまり俺の方に振り向いた。頬を紅潮させて目、つぶって、と俺にお願いをしてくる。キスしようとしてくる名前を捕まえてもっと深く、口付けてやろうか、とゆっくり瞼を閉じた。



法則にならって
(魔法の階段は私に夢を見させる。)



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