今ならものすごく糖分高めのポエムやら詩やらが書けそうな私の環境、端から見たらきっと私の周りに手描きのお花さんがほわほわと散らばってるに違いない。
机の脚をがんがん蹴りながら、キャーっとなっている私をクラスメイトは始まった、と言わんばかりに机に同情の目を向けていた。だって、あの佐伯先輩の笑顔を間近で見られた。あの笑顔を遠くから一目見るだけで私は1日の元気をもらっていたのに、あんな間近で見てしまったら約3日は頑張れる。私に向けられた笑顔じゃなくても、頑張れる。一睡もしないで。
実を言えば私はテニス部のマネージャーなので佐伯先輩の笑顔ごときにキャーキャー言える立場じゃないのだ。ファンの子からすれば、あんた毎日見てるじゃないの!みたいな、でもですねみなさん。よく聞いてください。私ね、マネージャーっていっても、平部員のマネージャーなんですよ。レギュラー専用じゃないわけ。だから、佐伯先輩とは滅多に会わないし、話さない。唯一レギュラーの人達で話せるのが、天根ぐらい。同じクラスだし。

「おい、名前」
「はひっ・・・あ、天根?」

一人にやにやとしていると知らぬ間に天根が私の隣に立っていた。なんでしょう、といいかけた所でん、と天根が指を教室の入り口に向ける。サエさんが呼んでる。それだけを伝えて自分は仕事をしましたオーラをかもちだし席に戻る。
あの、サエさんって・・・もしかして・・・
ぎぎぎ、と首を錆びたロボットみたいに入り口に向ける、あぁやっぱり・・・佐伯先輩じゃないですか。



命短し、恋せよ乙女
(起動停止してしまった。)




▽恐らく続く





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