「それ、うまい?」
「びーみょ」

この前コンビニで買ったお菓子をこっそり学校に持ち込み、皆がお弁当を食べているなか私は一人、新作お菓子を食べていた。味は不味くもなく旨くもない、いたって普通の味。要は微妙なのだ。
食生活がなってないのね、という樹っちゃんの小言を軽く聞き流しながらダビデの質問にサラッと答える、謂わば即答。一口頂戴、とサエが口を開けたのでなんの抵抗もなくあーんをしてやる。

「え、」
「え?」

皆が、またやってるよ、みたいな空気をかもちだしている中ダビデがえ、と声をあげた。反射的にオウム返しをすれば、いや・・・とどもる。

「ダビデってば吃り過ぎなのね」
「は?!違っ・・・」

樹っちゃんを始め、周りがクスクスと笑い出してダビデの顔が強ばっていく。バネが、まぁダビデはあれだから、なぁ?と肩ポンをして、亮があれだしね、とクスクス笑い、樹っちゃんを含めその他がそうそう、と頷く。非常に皆さん愉しそうなのだが、私とサエだけは話についていけていない。ダビデの顔はもう真っ青で、一言で表すのなら何故それを、と言いたげな顔。

「バネさんっ・・・俺・・・っ!」

ガッとバネの肩をつかんで物凄い勢いで何かを必死に否定している。(いや、口止めかもしれない)
私とサエが顔を見合わせて首を傾げると、あぁ!とサエが手を合わせた。

「ダビデもあーんしてほしかったんだ?」

あぁ、成る程。と納得している私とは別に皆は目をぱちくりさせて数秒後、笑い転げた(ダビデ以外)

「ぶっ・・・くっ、ま、まぁ、間違ってはないよな!な?ダビデ・・・はははっ」
「ま、まぁっねっ・・・クスクス」
「ふふ、ははっ、傑作なのねっ」

ヒーヒー言ってる皆を他所にダビデはもう死にたい、と言いながら体育座りをしていた。ガサガサとまだ余っている新作のお菓子を指で摘まんで、ダビデダビデ、と声をかける。なに、と顔をゆっくり上げたときにお菓子を目の前に差し出した。

「はい、あーん」

口をぽかん、と開けていたので摘まんでいたお菓子を口に入れてやれば、ダビデの顔はだんだんと赤くなり終いにはパクパクと魚のように口を動かしていた。それに見かねたバネ達は私に、その辺にしといてやれ、といってきたので頭にハテナを浮かべつつもダビデから少し、離れた。


デルリラデルリラ




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