ヘッドフォンを着けて携帯音楽機を親指で弄る。お気に入りの曲を流してポケットに無造作に突っ込んだ。爆音、とまではいかないがそこそこな音量で鼓膜を揺らす。そのまま寝っころがりきつく瞼を閉じた。









「おっきろー」
「ぁー・・・?」

意識が浮かんで来たときにはもう音楽は終わっていて聞こえたのはこもった高尾の声。私の顔を覗きこんで影をつくる。ゆっくりと体を持ち上げ眠気眼ではぁい、と返事をする。ヘッドフォンを首に引っかけて高尾の方を向けば、どこか楽しそうな表情。頭にはてなを浮かべて首をかしげれば、またサボってたんだー、と軽快な声が鼓膜を揺らした。うん、と頷いてまた横になろうとすると腕を引っ張られ阻止された。そのまま私を立たせて手を握られる。少し驚いて顔を見ると、まるで子供のように明るい笑顔で私の手を引き屋上の入り口まであるく。バッと私の方を振り返り

「二人でどっか行こうぜ!」

そのまま屋上を飛び出した。

貴方の声と笑顔



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