夜中、暑くて目が覚めた。横になっているだけで額に球のような汗が浮かぶ。背中も汗でしっとりしていて、最早なすすべもない。タオルで体を拭こうが、着替えようが、シャワーを浴びようが無意味だ。結局今のような状態になるんだから。節電の今の時期、エアコンはつけないで扇風機をつける。始めに設定していたらしい首振りを止めて私に直接当たるようにカチカチと首を回した。隣で寝ているキヨの額にも球のような汗が浮かんでいたので枕もとにあった扇子を手に取りゆるゆると扇いだ。



「ん・・・、あれぇ、名前、ちゃん?」

脳内が暑いという言葉に支配されていた私をキヨの声が呼んだ。視線を向ければ、眠気眼をごしごしと子供のように擦り、私の腰に腕を回しすりついてくる。額に引っ付いている前髪をかきあげてやると、ありがと、と小さな声でお礼を言われた。

「いいえ」

くすりと笑って暑いね、と呟けば、うん、とキヨが起き上がる。ベッドが軋んで悲鳴をあげるのもお構いなしに私を自分の腕の中に収め、首筋に顔を埋める。

「んー、汗くさい」
「失礼だね」
「そういうことじゃないよ、んー、何て言うか、名前ちゃんの汗はいいにおい」
「なにそれ、変態、バカ」

ぽすっとお腹を軽く殴ればごめんごめん、と私の大好きな笑顔で謝られたのでしょうがなく許すことにしよう。
私は何だかんだ、キヨには甘いのかもしれない。




sweetsweet



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