夜中の公園のベンチの上で膝を抱えて泣く。また、だ。またアイツにしてやられた。別に信用していた訳ではない。ただ、なんと言うか無償に、悔しいのだ。男とも女とも浮気する私のクズ彼氏。今回の浮気相手はなんと男、しかもオネェ系。これはもう、泣くしかないでしょう。
ポケットに突っ込んであった携帯を無造作に取り出してある人に電話を掛けた。ワンコールで出たある人は私が話す前に、今行きますよ、と言って電話を切った。きっと、私の言いたいことがわかったのか、いやいつものことだしな、私がある人に電話するときは浮気されたときのみだから。あぁ、いっとくけど私の彼氏、いや元彼?は千石ではない。アイツは女好き。元彼は両性愛者なのさ。
涙も止まってきた頃にザッと砂を蹴る音がした。ふと前を向けば、暗がりで分かりにくいが確かに誰かがいる。ある人・・・室町だ。

「なにやってんですか」
「っるせ」

はぁ、とため息をつかれてしょうがないですね、と呟かれた。なにがしょうがないんだとむっとしているといきなりん、と右手を差し出された。差し出された手に少し戸惑ったが室町がしつこく、ん、ん、と差し出すので左手で右手をとる。
ベンチの上に立ち上がらせて私を見上げる。暗くてよく見えないのもあるが、サングラスをしている室町の表情は読み取れなかった。そのまま数十秒、互いに動かないままだったので室町?と声をかければはっとした表情を浮かべ(たようにみえた)て慌ててベンチの上から私を下ろす。室町の行動に首を傾げていると、気分転換にどっかいきましょう、と言われたので弾んだ声でうん!と答えた。




なんとかでいず
(彼に抱き締められるまで後、5分)





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