狼谷くんと彼女さん
狼谷くんと彼女のお話
▽彼女さん(名字名前)
狼谷くんの彼女さん。狼谷くんラブで狼谷くん以外の男はアウトオブ眼中。ベビーシッター部の部員で鹿島くんとはよくオチビちゃん達の話をしている。狼谷くんに名前を呼ばれる日を今か今かと待ちわびている。
▼狼谷くん
普段は何処と無く冷たいが彼女さんには優しい(しかし彼女さんは気づいていない)。彼女さんの名前を呼びたくても恥ずかしくて呼べない今日この頃。最近やっとこ抱き締めた。ぎゅーっとしたときに彼女さんの嬉しそうにはにかむ顔にやられたとかやられてないとか
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「鷹、名字。帰る・・・ぞ、」
いつものよう部活帰りに鷹と名字を迎えに来た。スライド式のドアを開ければそこにはすやすやと眠る名字。室内に鷹や鹿島、その他はいなく恐らく外にでも遊びにいったんだろうと憶測を立てる。靴を脱いで名字の元へ向かい近くでしゃがんで肩を揺する。
「名字・・・おい、名字・・・」
んー、と目を擦ったがその目は開かず、寝相を変えてまたすやすやと寝息を立てる。名前を呼んでは肩を揺すると言う行為を数十回続けたが結果的にこれでは起きないことがわかった。時計を見れば時間もいいとこ、そろそろ鹿島達も戻ってくる頃なのでこれは最終手段を使うしかないと名字に被さるように手を置き、自分の唇を名字の耳元にくっつけるギリギリのところで止めて、
「っ・・・名前、」
恥ずかしさ全無視で囁いた。すると、あんなにやっても起きなかった名字の瞼がぱちっと開き、勢いよく起き上がった。恐らく耳まで真っ赤であろう俺は、それを見られたくなくて近くに放り投げた鞄を拾い上げ出入り口へ向かう。後ろからはばたばたと急いで用意する音が聞こえ、止んだかと思えば今度は、今名前で呼んだ?!ねぇ、呼んだ?!と名字が絡み付いてくるのであった。
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