今日も名字さんは夏風の通る廊下の窓辺に立っている。毎日、同じ時間になると必ずそこに現れてはぼーっと立ちチャイムがなる二分前には必ず教室に戻ってくる。彼女の行動になにか文句をつけるわけじゃあないけれど、何て言うか・・・端からみたからだいぶ変人だ。席替えをして僕は廊下側の後ろから二番目、一番後ろが名字さん。風の通る所に名字名前といったところだろうか、風に好かれる体質らしい(そんなものがあるのかはしらない)
入学してはじめの頃は皆名字さんの行動を怪奇に思っていて少々ざわつていたが、今になっては皆、あー?名字はいっつもあーだろ。みたいな・・・クラス、いや学年公認だ。

サワサワと名字さんの髪が夏風に煽られてなびく。少し長めの髪の毛を暑いからといって結うわけでもないらしい。見ている限りではめんどくさがっている。ずーっと雲を眺めてまるでシャッターを切るように瞼をゆっくりゆっくり閉じる。嗚呼、気になる。


「暑いね、名字さん」



ハロー、サイダー
(気になったのは今に始まったことじゃない)





120723
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -