私が泣き止むまで理一さんは抱き締めてくれていてとんとん、と子供をあやすように私の背中を軽く叩いて、大丈夫大丈夫と頬にキスしてくれた。

「どうしたの?急に、」

俯く私の前髪をさらりとわけて優しい声色で聞いてくる。周りには同然親族の方々。口を開けてポカンとしている者、私達のやりとりをみて赤面している者(健二くんとか)我に返って少し、恥ずかしいなぁなんて思っていると、また歩?と理一さんに名前を呼ばれてぽつぽつと話始めた。

「わ、たしでいいのかなぁ、って」
「何が?・・・お嫁さん?」

こくこくと頷けば、少々間を置いて理一さんが吹き出した。

「ぷっ・・・はは、馬鹿だなぁ歩は・・・」
「なっ・・・!」

失礼な!
キッと睨めば、理一さんは更に笑って馬鹿だ馬鹿だと言ってきた。俺は、歩以外とくっつく気はないよ、なんてしれっとした顔で言われてぽけっと口を開けていれば、ちゅっ、と門の前でされたようにキスをされた。周りからはヒューヒュー!と冷やかしの声が上がってなんだかいっそう恥ずかしくなり理一さんに思いっきり抱きついて胸に顔を埋めた。



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