03 
4/11


「おー!夏樹ーっ!こっちだこっちー!」

目的地に到着すれば賑やかな声が私を包んだ。あぁ、なんだか落ち着かない。
あのあと夏樹とは一言も喋らなかった、否、喋れなかった。なんだか気まずくて。
夏樹のお父さんが私のために焼いた魚介類や肉を皿にとってくれた。ありがとうございます、と笑顔を向けて箸をつける。と同時に髪の毛を誰かにさわられた。

「栞サラサラー、僕、栞が髪縛ってないの、始めてみるー!」

ふと振り返ればハルだった。うわー、うわー、といいながら私の髪を自分の指に絡めて遊ぶ。そんなに珍しい?と尋ねれば、うん!と元気のいい返事が帰ってきた。

「じゃぁ今度は髪結わないで学校行くね」
「わぁい!やったぁ!」

元気百倍なハルを微笑ましく見ていると鋭い視線を感じた。視線の元を探しているとさくらちゃんと目が合った。あれ、睨まれて・・・る?





 prev next back 

4/11






第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -