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学校、憂鬱だ。体が重くて動かない。いつもの夏樹の御迎えも、たぶん今日はないだろうなあのあと結局ケンカ別れをしてしまったから。デジタル時計に視線をやれば今は9時ちょっと過ぎ。あぁ、遅刻じゃないか。はぁ、と頭を抱えた。

「どーりで迎えもないわけだ。」

ベッドに寄っ掛かって今日はサボってしまおうかと天井を仰いでいるとドンドンドンッと玄関の戸を叩く音がした。めんどくさいので居留守をしようと目を閉じたら、栞ー!とよく知った声。

「ハ、ル?」

立ち上がり勢いよく戸を開ける。わっ、と後ろによろめいたハルがそこに居た。どうしたの、と自分でもわかる消えそうな声で尋ねれば、夏樹が迎えに来た!と両手を挙げて答えた。

「・・・・・・は?」

目を凝らしても、左右を見ても夏樹らしき人物は居ない。私を元気付けるための嘘なのかと思い、そっか、と優しく微笑んでみる。するとハルはぷくぅと頬を膨らませて、栞信じてないでしょー?と私の腕を引っ張り廊下に連れていく。右にずんずんと進んでいって丁度階段のある場所まで来た。左への曲がり角でどんっと強く私の背を押した。

「ぁっ!?」
「はぁっ?!」

と同時に誰かとぶつかる。
すいません!と顔も見ずに頭を下げれば、栞?と私の大好きな人の声。はた、と顔をあげると髪を切った夏樹

「な・・・つ、き?え?か、み・・・」
「な、なんだよ・・・切られたんだよ・・・」

むすっとした表情の夏樹に、ふっと笑いが漏れた。さっきの私はどこえやら、大爆笑。


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