風邪を引いたら | ナノ
食べさせる


「食欲、ある?」
「ない、」

起きてボーッとしているなまえのためにお粥を作った。ちょうど出来上がった頃に起きたので食欲があるか聞いたらやっぱりない、と答えた。力なく首を横に振ってベッドに横になる。布団を頭まで被って寝ようとしていたので寝ちゃダメ、と起こしてやった。

「今食べたら吐きそう」
「でも薬飲まなきゃだめでしょ」

そうでした、と目をつぶって僕に寄りかかる。少し熱が引いたであろうなまえの体を抱き寄せた。この部屋ならカーテンががっちりしまっているし万が一でも写真はとられたりしないだろう。






お粥と病院からもらってきた薬を御盆に乗せてなまえが待つ部屋にやって来た。
今にも寝そうな表情のなまえ、無言で僕に水枕(だったであろうもの)を差し出してきた。御盆を机においてそれを受けとる。あり得ないくらいに暖かかった。それ食べ終わったら変えてあげるね、とお粥少量をレンゲに乗せてなまえの口元へ運ぶ。渋々と口を開けて食べるなまえが、体ベタベタすると言ったので後で体を拭いてやらなければと思い、二口目をレンゲに乗せた。






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