V
「あいつ、大丈夫かよ・・・」
ぽつりと不安を溢せば、なんだい、レディが心配なのかい?おチビちゃん、とレンに頭をグリグリと撫でられた。
撫でるな!と手を払いのけてはぁ、とため息を吐いて膝を抱えた。
絶賛屋上でお昼御飯、未だに帰ってこない純に翔は気がきじゃなかった。純が呼ばれたのは約一時間前、丁度四時限目が始まる前。S、Aクラスの担任共々園長室に行き不在になったため、自習になったのだ。一時間以上にも渡りしかもS、Aクラスの担任が行くほど深刻な話なのだろうか、と首を捻ればどうした?と音也に心配された。
「いや・・・俺のパートナーが早乙女先生に呼び出されたまま帰ってこねぇんだよ」
「え、なに、なんかしたの?!」
「本人はなにもしてないだと、はー・・・大丈夫かな」
「そんなに心配をしなくとも大丈夫ですよ、彼女なら話をきちんとつけて来ますから。」
微笑むトキヤが発した意味深な言葉にさらに首を傾げた所で、よく知った声がした。
『あー、いたいたー。まったくも、私を置いて屋上でご飯だなんて聞いてないししかも知らない人いるし私人見知りだから帰るねアデュー』
「え、ちょっ、待てよ!」
近くにいた彼女の足を掴み帰るのを阻止した。
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