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「お前はあいっかわらず嫌味な奴だな」

『誉め言葉ありがとうございます。先生』

お話は以上ですかそうですかじゃあ失礼します、と一人会話を繰り広げてはレコーディングルームを出る。後ろで日向先生が引き留めていたが気にしない。さっさと教室に戻って寝ようではないか。









教室に戻ればお決まりの三人が私の机を囲んでいた、周りから見れば異様でシュールな光景で、翔がコンコン、と机をノックした。

『ただいま留守にしています。ご用件のある方はピーと言う音に続けて御名前と御用件を申しください。ファックスの方は・・・「電話かっ!」・・・三人してなに、人の机囲んで。黙祷でもしてたの?私まだ生きてますけど。』

「いたのなら声をかけてください。」

「そうだよレディ、今とっても深刻なんだから。」

『ほぅ、無視か。ケツの穴からコンクリート流し込んで東京湾に沈めちゃうぞ』

どうぞお好きに、それよりこれを見てください。すっとトキヤが少しずれて、私を机に近づけた。机の中心に紙が一枚セロハンで貼ってあって、
【Miss.クスノキ、戻り次第に園長室にきなサーイ byシャイニング早乙女】
と書かれていた。貴女いったい何をしたんですか。と三人に険しい顔で問い詰められた。

『私なにもしてないし、行く必要なくね』

べりっと紙を剥がす。翔が、あっ!お前!と顔を青ざめた時、トキヤに手をとられ教室の外に連れていかれた。

「行きますよ。」

『連れていってくれるのかい。トキヤくん、小さな親切大きなお世話って知ってる?』

「これは親切ではありません。此方側が巻き沿いを食らわないためです。」

あっそーでっか。
ずるずると引きずられるように連れていかれる。

「しっかり話をつけてきてくださいね。では、」

園長室を開けるなり中に放り投げられた。ドアが閉まる間際、どうかご無事で、と聞こえた気がした。


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