手を繋いで二人で帰路につく。大好きな彼女の手は小さくて俺の手にすっぽりと包まさった。今日は手料理を振る舞ってあげるね、とはしゃいたので夕御飯の買い物をしたところだった。スーパーを出てのはいいが、彼女の持っている荷物は重そうだった。持とうか?と声をかけてもいい、自分で持つ。と頑なに拒否をして歩き出す。手を繋いでいるから彼女が進めば俺の足も自然に進んだ。
少し歩いてからぐすん、と鼻を啜る音が隣から聞こえて目を向けると涙目の彼女。二人で他愛のない笑い話をしていたはずなのだが。

「(泣く要素がいったいどこに)柚子?」

ドサッと持っていた袋を地面に落として俺に掌を見せる。彼女の掌にはくっきりとビニールの後。どうやら痛くて泣いていたらしい。重いよー、と涙目の彼女の手をとり、膝まずいて、

今なら貴女も持ちますが?と笑いながら泣いている(?)君の手の甲に××をした。



(アキラくん、重くない?)
(全然、寧ろ軽い)






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