青春とはなんともかったるいものである。と、奉太郎がいっていた、気もしなくもない。まぁまぁそんなことは放っておいて。
風の噂で聞いたのだがどうやらあの、無気力糞省エネ男児奉太郎が、部活に入ったらしい。しかもあの古典部に。困ったな、これは面白い。たまらん。俺も入ろう。古典部に。いざ、古典部へー。





「無気力代表格のお前がよく古典部なんかに入ろうと思ったな」

『おねーさんの頼みで入ったんだって?古典部。この歴史ある廃部寸前の部活に』

入部届けを出して部室に入るや否や褒め言葉を貰った。なんともありがたい。そして会話が噛み合っていないのは気のせいではない。わざとに無視した。無視と書いてスルーと読む。傑作だ。

『どうして教えてくれなかったんだ奉太郎くん。僕達友達じゃぁないかあ』

「お前のことだからどうせそのうち里志辺りから聞き出すかと思ってな。」

『そんな・・・俺がそんなことするわけないだろ、』

めんどくさい。この一言に限る。
そういえば先程から部長の”チタンダ”さんが見あたらない。一応俺も今日から部員なので挨拶するつもりだったのに。

『なぁ奉太郎。チタンダさんはどこだ』

「アイツならもうそろそろ・・・」

戻ってくるんじゃないか、たぶんそう続いたはずだ。まぁそんなこと本当にどうでもいい。噂をすればなんとやらとはまさにこの事か、噂のチタンダさんがドアをダイナミックスライドをして入ってきた。

「折木さんっ!ニュースでっ・・・す」

『どぉも』

やぁ、と片手を挙げる。ぽけっとした表情のチタンダさんに、今日から部員の一柳です。と自己紹介をするれば、あ、ああっ!と納得の表情になった。ところでチタンダとはいったいどう書くのだろう。


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