青峰と先輩

『まーたサボってんのー?』

ダメじゃなーい、と笑うなまえ先輩。逆光でよく見えねぇけど、
最近は先輩と一緒にいることが多くなっていた。俺に勝てるのは俺だけ、決して誰もわからないと思っていた。俺の気持ちなんて。グシャグシャと俺の頭を撫でる小さな手、人懐っこい笑顔を見せる先輩は、そんな俺を理解してくれた。私も、私に勝てるのは私だけだもの、と。
最初はそんなの嘘だ、俺への慰めのようなものじゃないのかとイラついていたが、日にちがたつにつれて俺は何故か先輩に心を許していた。さつきも、先輩になら青峰くんまかせられるね、とめっきり屋上に来なくなった。

「先輩だって、サボりだろ」

『あちゃ、バレた?』

「ったりめーだろ、」

ふ、と目をそらす。なんだか今日は眩しい。なにが、かはわからない。眩しくて直視できなかった。先輩が。

『さっちゃん、心配してたよー?いいの?』

「いいんだよべつに」

先輩には関係ないだろ、と呟いて寝返りをうった。

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