火神とテスト勉強
『たいが、図書館いこう!』
放課後、特に約束もしていなかったなまえが言い出した。テスト期間だから部活もない、誰かと予定を組んでいた訳でもなかったのですぐに返事をした。
図書館の勉強スペースに二人で向かい合って座った。お互いに教科書とノートを取り出して無言で勉強し始めた。ちらりとなまえを見る。うつ向いていて顔はよく見えないが真剣そのものだった。なぁ、と声をかけようとしたところで入り口からよく知った声がした。
ぴくっとなまえの肩が揺れて更に深くうつ向いた。どうした?と声をかければ、男子、と小声で返ってきた。
『か、からかわれる』
「は?」
『たいが、とデートしてるって、からかわれる』
あ、きゅんときた。体を縮こませるなまえ。どうやら、クラスでよくからかわれるらしい。
「・・・ふっは、そんなの気にしてんじゃねーよ」
『へ、』
「んなこといってたら何処にも行けねーだろ」
自慢してやればいいんだよ、彼女いないからって妬むなっていってやれ!と頭をくしゃっと撫でれば、そうだね、と笑った。
▽あれ、勉強・・・は?
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