かぐや姫くん7

『バチチチ・・・』
『チチチチ・・・』
さて、みなさんに問題です。
・・・何の音でしょう?
答え。
かわいらしい子どもを持つ父親・ミナトと、そのかわいらしい子どもの自称旦那さま・カカシの睨みあう視線の火花の音・・・。
「かわいいナル君につく悪い虫は追い払わないキャね・・・」
ミナトの手に、まるで台風のように風がうずまく。
「月の国の僕しかできない大技かましてやる!!人間のカカシ君に耐えられるカナ
!!!!」
左の口角をニヤッとあげて、ひるんだカカシに見せつけるようにさらに大きくする。
しかし、カカシとて負けてはいない。
「じゃ、こっちは人間の編み出した陰陽の術で対抗しましょう!!」
なんて言葉と共に、カカシが手を複雑に組み合わせて、印らしきものを組みだす・・・
「おいおい・・・あんなの俺はおしえてねぇぞ」
アスマの冷や汗をあざ笑うのように、カカシの放つ気迫が大きくなり
「フン。虫を付けたくなかったんなら手放した事を後悔こそすれ、俺は恨まれる筋合いありません!!幸せにするからさっさと帰って」
めんどくさそうにいうカカシの掲げた手には、バチバチと小さな雷のようなものが放電している。

「「はぁぁぁぁっ」」

二人の間にいた鳥が飛び立つと同時に二人が動きを始めた。
まわりの人間が冷や汗と共にダッシュで逃げだすほどの気迫のぶつかり合いと共に、おそろしいほどのスピードと、恐ろしいほどの術で、ぶつかる。
逃げだそうと走る面々が、すさまじい衝撃に後ろを振り返って、みてしまえばもう、周りの人間はだれ一人として動けない・・・。
一人を除いては・・・


「綱手のばぁちゃん!!鳥子がご飯もらいにきたってばぁ」
ナルトの肩に避難してきた鳥は、さきほぼの二人の間にいて、命からがら逃げだしてきたのであろう。鳥の小さな心音まで聞こえてきそうなほぼに、緊張した様子がありありとうかがえる・・・。
「ナルト!!あんたもこっちにきな!!」
炊事場の低いところから叫ぶ綱手に、ナルトはなんで?とばかりに首をかしげる
「ナルトや。こっちに来れば鳥子の餌の準備もできるじゃろ?」
自来也が機転を利かせてナルトを誘導しようとするが、めんどくさそうに「えぇぇ?今日は準備してくれないんだってばぁ?」なんて、呑気にブー垂れている。

どうもナルトが普段から可愛がっている鳥のようで、その名も「鳥子」らしい・・・。
「今日もあったかいってばねぇ?鳥子は今日は一人だってば?」
そういって、さきほどから身の危険を感じてピーピー叫んでいる鳥子に向かって、悠長に会話し出す。鳥子的には「逃げて!!」と、伝えたいのであろう。ナルトの着物を引っ張って一生懸命とんでいる・・・しかし、鈍感であり、愛すべきKYなナルトには餌の催促にしかみえないらしく、悠長にどっこいしょっと腰をあげて、おもむろに重い着物を
「そんなに鳴いて・・・おなかすいたんだってば?今、ご飯持ってくるからちょっと待てってばよォ」
結局、慌てた様子で炊事場に言って小さなおにぎりを作りだすナルト。
なんとかナルトの避難に成功した周りにいる面々は、どうしたもんかと苦笑いを浮かべる。全員ナルトの愛すべきKYには愛情を感じている・・・
しかし、しかしである!!
今この場にいる面々は一同にこう思う「イマ!?」と・・・
だがしかし、世の中例外もある・・・
「「か〜わいい」」
さきほどまでピリピリとした緊張と、壮絶ななんんだかわからないけどすごい技の応酬を繰り広げていた大人たちは、肩を並べてナルトが一生懸命おにぎりを作る姿に、萌え萌えしているのである。
「さすがナルト・・・かわいい」
なんて、カカシがささやけば、
「ね・・・すっごいかわいい・・・なんでこんなにかわいく育っちゃったんだろう」
なんて、ミナトが呆けて答えている。お互いにナルトから視線をはずさないまま、どこがかわいいとか、これがかわいいとか、お互いの知るナルトを自慢し出す・・・いやな予感に、その場にいる面々はさっさと家をでる・・・



「さすが俺の奥さん☆」
「さすが僕の子☆」
そのふたりの言葉が、また引き金になった・・・
「だぁれがぼくのかわいいナル君のお嫁さんに貴様を認めたんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
すさまじい怒号と共に、雷が落ちる・・・
第二次戦闘はじまり・・・

  つづく

[ 8/22 ]

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