かぐや姫くん5

キバが仏の御石の鉢をとりにいった先で半殺しにし、シカマルはもとより戦線離脱、チョウジは偽物な事がバレ、サスケは龍の頭の玉をとりに行く途中で半殺し、ネジは火ネズミの衣が偽物だった・・・
そんなわけで見事にすべての求婚者を蹴散らして、いざ、カカシのお出まし・・・


その日、カカシはソワソワしていた。これから、ナルトとの初お目見えなのである。
それはそれはかわいいナルト・・・はたして自分を気に入ってくれるかどうか・・・
カカシは不安と期待の入り混じったニヤニヤ顔で、牛車に同乗しているアスマに気持ち悪がられる。
「・・・主上・・・顔(かんばせ)が朗らかにございますね・・・」
一応、そとには天皇直属の検非違使や、随身が大勢いて、あまつさえ天下の往来を通っているのである。一応アスマの口ぶりが、友人から臣下にかわっている。
「ん?ゆるんでる?ごめ〜ん(笑)」
至極上機嫌のカカシは普段とかわらず・・・いや。普段の数十倍気軽にしゃべる。
「ねぇねぇアスマ・・・俺、気にいられるかなぁ・・・?むしろ、もしも気に入られなかったら、とりあえずこの世の野郎共滅ぼしてでも気に入られるけど・・・」
相当怖い発言をとろけるようなスマイルでぶちかますカカシに、アスマが大きなため息を打つ。
「・・・主上に置かれましては、おそれながら少々御慎みいただきますよう・・・」
一生懸命に臣下の礼をとるアスマの顔には青筋が浮かび、眉間はよりによって、こめかみを押さえて、うずくまっている・・・
「・・・カカシ。覚えてろよ?」
小さな声で、でもカカシの胸倉をつかんだ一言を口にして、アスマはさっとカカシの胸倉を離して元の一に座った・・・


INナルト宅
「「・・・て・・・天皇・・・!?」」
ひるむ自来也と綱手は、その大それた地位にヒクヒクと口角を動かして、ナルトを見つめる。世間知らずの深窓を天然姫に育てた二人も冷や汗である・・・
なんでかって?
カカシの顔を至近距離でまじまじと見つめ、その銀髪を触って「本物だってば!!」とかいった挙句に、「きれいな御顔だってばねぇ」と、ニコニコ見つめているのである・・・
「こ・・・こらナルト。こっちにおいで」
そういって、綱手はさっさとナルトを膝に抱き混んでしまう。
「なんだってば?今日はおひざの日の気分じゃないってば・・・」
結構な妙齢の姫と見受けられるナルトの「おひざの日」発言に、アスマが思わず噴き出し、カカシの頬がさらに緩む。
「お黙りナルト!!・・・で、こんな辺鄙な街の辺鄙な家になんの御用で?」
ちょっと横柄に、でも一応敬語の綱手に、カカシは体裁の良い、キレイな笑顔でことの経緯を説明する。自分が垣間見でナルトを見染めたこと、そのために今日来たこと。あげ句、行く行くは結婚して妃にしたいこと・・・
「だまって聞いてれば若造が!!うちのナルトを連れてく気か!!」
そういって、だまって聞いていた自来也が立ち上がって怒鳴る。もう身分とかそういうの関係なく、ただの親として怒鳴っている。
「・・・ん!?あ・・・あれは!!!!!」
怒鳴る自来也の背後に、この家に似つかわしくない春画を見つける。題名『いちゃいちゃぱらだいす』
「ん?なんじゃい若造。これはワシが書いた本じゃ!!」
怒りを肩透かしにされて、若干のがっくり感を抱えつつ、そろそろと本棚に近寄るカカシを見やる・・・
「こ・・これは・・・!!!!」
「最新巻じゃ。数週のうちに発売になるんじゃ!!」
「おぉぉぉぉ!!!!」
ナルトそっちのけで話をし出す二人・・・
「これ!!読んでいいですか?あと、俺の経典なんです!!俺の神がナルトの養父だったなんて・・・なんで最近でなかったんですか?」
「・・・ワシだって仕事せんと、喰っていけんのじゃ」
「じゃあ、ナルトと一緒に後宮に入って、執筆活動にいそしんで下さい!!一生安泰ですよ!!」
「おぉぉ!!それはよい案じゃ!!」


あれよあれよと丸めこまれた結果・・・
「ナルト!!この人に決めちゃいな!」
「決めてよかろう?大丈夫じゃ。ワシラも一緒に行ける」
綱手は借金チャラ、自来也はいちゃぱらのモデル探し邦題(女あさり邦題)に釣られて、しかも、かわいいナルトと一緒にいけるという好条件にほだされ、ナルトの顔にキラキラした目で見てる・・・

「で・・・でも俺ってば男だってばよ!!」
そんな衝撃発言に、アスマは
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!そのナリでか!!」
とか絶叫したが、
「え?知ってるよ?だって俺男の子大好きだもん。大丈夫。后の裸なんて誰も見ないし、ここにいる御世話係のみんなをそのまま後宮で召し抱えれば、あらたな危険にさらされる心配もないし、長年ナルトを見てきてるだろうから、そこら辺はそつなくやってくれるでしょ?」
とか、さらっと答えるカカシ・・・
「でも・・・俺ってば、月に帰るんだってば・・・」
そっと漏らした言葉に、こんどこそ
「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」」」」
その場にいる全員が大絶叫をあげた


   つづく

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