あらじん(?)

一方・・・
「ナルト・・・おはよ・・・あれ?」
眠い目をこすり、ナルトを探すカカシの手は一向に温かなぬくもりにふれません。
どっこいしょ・・・とばかりにカカシが体を起してみれば、そこにはナルトの姿はなく、あるのは小さな紙切れだけ・・・
「ん?無料招待券?」
カカシはナルトがきっと行ったのであろう砂漠に向かおうとしたら・・・
「おい!!ここがナルトの隠れ家らしい!!壊せ!!」
なんと!城のガラの悪い衛兵たちがナルトの家に入ってきました。
『ガッシャーン!!』
きっとナルトが拾ってきてきれいにしていた壺や布たちが無残な姿にされて行きます。
「おい」
『ガッシャーン』
「・・・あのさ・・・やめてくんない?」
一応顔を隠して目だけを出した状態で衛兵にキレ気味に声をかける。
「あ!!王女様・・・」
身長と髪の色で一瞬にしてバレたカカシがちょっと恥ずかしそうに顔を隠していた布をとる。
「壊すのやめないと、お前らの事コワシチャウヨ?」
にっこりとほほ笑んだカカシの顔に、多くの衛兵たちが逃げていきます。しかし、可愛そうなことにカカシに肩を掴まれていた衛兵は逃げることができません。
「・・・あのさ」
あきらかに怒った気配のカカシに、衛兵はがくがくと震える足でやっとのことで立っています。
「誰の差し金?」
その声のトーンの低さと剣呑に光る視線に衛兵は
「国務大臣のオロチ丸様です!!」
とか、大声で応えてなんとかカカシの拘束から逃れて行きました。
「・・・あのオカマ蛇野郎ねぇ」
カカシの目が光りをおび、先ほどまでは丸められていた背中を伸ばして王城へ颯爽と向かいます。その目は剣呑に輝き、足取りは速く、気の弱い者は気絶するほどの怒気を孕みながら・・・


一方
「なんでここにランプがあるんだってば?」
ナルトは近くに落ちていたランプを広いあげます。
「きれいだってばねぇ?でもここ汚れてっから・・・」
フキフキ・・・
『ふしぅぅぅぅぅぅぅぅ』
なんと!!
ランプから煙と共に誰かが出てきました!!
「うわぁ!!なんだってば!?」
なんと!
出てきたのはランプの精。
「俺の名はサスケ。ランプの精だ。俺を呼びだしたのはお前・・・カワイイな」
ランプの精を名乗ったサスケは、ナルトをそっと覗きこんでみます。
「ん?ランプの精って?あの願いをかなえてくれるっていう?」
まだまだ覗き込みます。
「なんでも3つまでなら願いを叶えてくれるんだってば?」
「・・・ここはくらくて見えない!!」
なんと!
サスケは強引にナルトを魔法の絨毯に乗せてしまいました。
「話は後だ。ひとまずここを出る」
盛大に壁に穴をあけて、サスケはナルトを連れて砂山を脱出しました。



そのころ城では・・・
「オカマ!ナルトをどこへやった!!」
カカシの怒号にうざったそうなオロチ丸が胡乱気な表情をします。
「あの子ならアタシの大事なお宝と一緒に砂の底よぉ!!」
そこでオロチ丸は気づきます。コイツと結婚しないと国もなにも手に入らないことを・・・
「あ・・・あの・・・一緒に探しにいく?」
ちょっと恥ずかしがったカワイコぶりっこしてみても、カカシがドン引きした顔しか見せません。
「あのさ・・・ナルトになんかあったら、命ひとつで償えるとか思わないでね?」
カカシはありったけの殺気をオロチ丸にブチ込んで、オロチ丸の腰を持ってイスから起たせて砂漠を案内させるために城から出ます。
戦々恐々のオロチ丸と、その側近の衛兵たちに道を案内させつつ、カカシは周囲に目を配っている・・・と・・・
なんと!!空飛ぶ絨毯に乗ったナルトと謎の青年にカカシの眉間のしわが濃くなります。
「なんでナルトとガキが一緒に絨毯に!?」
カカシは来た道を全速力で戻り、絨毯の向かった先、王宮へ向かうのでした。
「まってぇぇぇぇ」
明らかに何かをたくらむオロチ丸を置いて・・・


  つづく

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