あらじん(?)

「ココが俺の隠れ家だってば!!」
ナルトがカカシを連れ込んだのは、廃ビルの一室。よくいえば風通しのいい場所・・・
「ここは宮殿がきれいにみえるんだってばよ!!俺ってば金持ちになって宮殿に住んでみたいんだってば!!」
ナルトは宮殿に夢中で気付かない・・・隣にチョー優秀なハンターがいることを・・・
「そっか。ナルトならきっと(むしろ確定?)すめるよ!お金持ちにな(る云々より、まず国王になっちゃうからね!政治はこっちでやるから、ナルトは専業主夫の王さまにな)れるよ」
ほほ笑むカカシの副音声なぞナルトに聞こえるわけもなく、ナルトはカカシに見とれる
「カカシ・・・きれいだってばねぇ?」
手入れのゆきとどいた肌艶のいい姿は、市にはなかなかいない美しさであろう。ナルトはにっこりほほ笑んで、そっとカカシの頬に触れる。


一方・・・
副音声の聞こえちゃったオロチ丸に言われてナルトを捕えに来た兵たちは、あきらかにこちらに向いている殺気に動くこともできず、物陰でカッチコチに固まっていました。
後に、ナルトだ捕にむかった兵たちはみな一様にこうささやきます。
「ナルトの横に修羅がいた・・・」



「もう!!しょうがないわね!ワタシが行くわ!!」
城でナルトだ捕の報告を待っていたオロチ丸であるが、残念ながらカカシに阻まれて命からがら帰ってきた兵たちに強言を浴びせて、さっさと自室から出て行く。
「まってなさ〜いワタシのかわいい青い鳥ちゃん」
世にも恐ろしい笑みを湛えたオロチ丸が、市民に変装して街に出て行く。


「今日は、おそいってば。俺ってば床でいいから、カカシはこっちで寝るってば!!」
そういって、カカシにそっとベッドの方を進めるナルトに、カカシは心の温まる想いと共に、不埒な考えが・・・
「そんなの悪いよ・・・お邪魔させてもらってるし、こっちが床で・・・」
なんて、そんなきないのに床に降りたカカシにナルトが慌てます。
「だめだってばよ!!俺ってば床で大丈夫だから!!」
そういってベッドに押しとどめようとするナルトの手をカカシが強引に引っ張る
「じゃ、一緒に寝よう?このベッド広いし、(まだ襲わないから)大丈夫だよ?」
一部ナルトには聞こえない特殊音声でお送りしています。
何にも考えていないポヤンな天然ちゃんのナルトは
「そっかぁ」
なんて、のんびりあんしんして一緒に寝はじめました・・・
「フフフ・・・」
小さな笑みと共にベッドにもぐるカカシは、まさに狼のようなキバをそっと毛布に隠して、ナルトを抱きしめるようにして眠りにつきました・・・


翌朝
「おぁぁぁぁ!!!!」
ナルトの枕元には『無料招待券』と書いた紙が落ちていました。
となりで熟睡のカカシを起こさぬ様にそっとベッドを抜け出して、ナルトは颯爽とスキップしながら歩いていきます。
書かれていた場所には砂で作った大きな虎のような建物・・・
「お前は誰だ」
入り口で虎がしゃべりました。
「ナルトだってば!!招待アリガトだってばよ!!ここが未だかつてないラーメンのじゃ所だってばね?」
「そぉよぉ!!」
なんと!!ナルトの後ろから突然現れたのは、丁寧に化粧を施したオカマ・・・もとい、オロチ丸でした。
「・・・ねぇちゃんが食べさせてくれるんだってば?」
なんとも純粋なナルトは、化粧してたら女のひと的な観点から、オロチ丸をレディだと判断し、キラキラの目で見つめます。
「そぉよぉ?でも、これからこのトラさんの中でランプを探して持ってこないとダメよ?中にはいろんな誘惑があるから、その誘惑に耐えて、ここにその証拠となる黄金に輝くランプを持ってくれば、最高のモノをごちそうしてア・ゲ・ル!太くて硬くてオイシイ・・・ね?」
意味ありげに舌舐めずりしているオロチ丸に気づかず、ナルトはコクコクうなづいてさっそく中に入ります。
中にはありとあらゆる財宝が転がっています・・・が
「ここのは触っちゃいけないんだってば」
いい子なナルトはスイスイ進みます。
しばらく進むと、
『フワ』
ナルトの後をついてくる絨毯が・・・
「ん?なんだお前?」
『フワ』
ナルトが進むと着いてくる絨毯に、ナルトがポリポリと頭をかきつつ
「ランプまでの道案内してくれってばよ!!」
ナルトは心強い仲間を手に入れました。

しばらく進むと
「あれだってばね?」
なんと!きれいな金色のランプが飾られています。階段の上に堂々と飾られているランプをとりにナルトが登ります。
ランプがハマっている台からはず・・・そうとしてたら
「あぁぁぁぁぁ!!」
さっき上がってきた階段をランプが抜けた拍子に落っこちてしまったのです!!
『ドーン』
なんと!!
落ちた先にあった黄金の像が持っていたきれいな宝石が落ちてしまいました!
その瞬間!
あたりが崩れだし、先ほどまで金の塊であった周辺が溶岩のようになっていきます
「ヤバいってば!!」
泣きながら走るナルトを絨毯が拾い上げてグングン出口に進みます・・・が、
「ナルトちゃん!!ランプを!!このままじゃ手が届かないわ!ランプを使うのよ!!」
出口で待ち構えていたオロチ丸に言われて、ランプをとりだそうとします・・・が、
「俺ってば絨毯に乗ってるから大丈夫だってば・・・」
気づいてしまった瞬間・・・
「あらら残念ね。気付かなければ助けてあげたのに・・・」
オロチ丸の顔が残忍な嗤いにかわり、ランプを持ったナルトの手を引き、強引にランプを奪うと、そのまま絨毯に向かって大きな石を蹴飛ばし、ナルトごと絨毯を落としてしまいました。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

憐れナルトは、砂の穴に閉じ込められてしまいました・・・なぜか目の前に転がるランプだけが、気を失ってしまったナルトを見つめます。


一方で石を蹴飛ばした反動で小指をぶつけたオロチ丸が、その拍子にランプを落としてしまったことに気づいてしまいました
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!もう!!こうなったら、あの大柄銀髪王女と結婚でもなんでもして国を手に入れてやるんだから!!」
鼻息あらく、オロチ丸がその場をあとにします。
ナルトが生きている事も知らずに・・・


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