あらじん?

ここはとある灼熱の王国。
「カカシや・・・きょうこそ結婚相手を決めておくれ・・・」
王様は今日も愛娘のカカシに他国の王子を紹介します。
「・・・あのさぁ。どうみてもこの設定無理ない?読者さんに嫌われるよ?」
・・・愛ムスメ!!!のカカシに他国の王子を紹介するんです!!いいんです!!ナルトがプリンスだっていいじゃない!!
「・・・ま、レオがいいならいいけど・・・」
・・・設定飛び越えてはなしかけてくるんじゃありません!!
失礼(-_-;)
王様は今日もせっせと大臣のオロチ丸に相談します。
「おぉ・・・オロチ丸よ・・・ワシはどうしたらいいんじゃ・・・」
「そんなこといわれてもねぇ・・・もっとオイシソウな子だったらアタシがもらってあげたんだけど・・・長身隻眼銀髪年増じゃぁねぇ・・・」
大臣のオロチ丸は親身になって相談に乗ります・・・しかし、今日も王さまの愁いが張れる気配はありません。
「あらら・・・オロチ丸にまで相談してんの・・・これはヤバいなぁ。とりあえず城下にでもとんずらしよっと!」
カカシはさっさと城を抜け出してしましました・・・



「もう!!あのジジィの相手にも疲れたゎ!!そろそろ国を乗っ取りたいわねぇ・・・」
オロチ丸は王様にも内緒の隠し部屋で、こっそりと水晶を覗いています。
「アラララ・・・可愛い子が!!こんな子が魔法のランプをとってくるアタシの青い鳥なのかしら!!」
突然ルンルンになってきたオロチ丸は、こっそりと隠し部屋を後にするのでした。



そのころ街では
「逃げろってば!!」
元気な少年のナルトが今日も生きるため、食べるために必死でパンを盗んで行きます。ワルイ事とは知ってはいても、ナルトとて生きるためには仕方なく・・・。
街では警備隊がナルトを追いかけまわしています。
「待てナルト〜!!」
「いやだってば!!怖いってば!!」
ヒョイヒョイと軽い身のこなしで追い掛けてくる強面の野郎どもを巻いて、なんとか逃げきったナルト・・・そこで目にしたのは・・・
「きれいな銀髪だってばねぇ。それに背が高くてとってもきれいだってばぁ・・・」
なんとも言えないオーラを放つ場違いな人・・・
おなかがすいて泣いている小さな子どもたちに、明らかにうりもののリンゴを渡しています。
「コラ!!これは売り物だぞ!!この泥棒!!」
「ハァ!?」
ものっすごい眼光で睨まれた行商人が、硬直しつつもかろうじて掴んだ手を離さずにいたら・・・
「行商のにいちゃん!!女のひといじめちゃだめだってばよ!!」
格好よくナルト登場。
『バキュン!!』(うわぁ!!ドストライク!!)
どこかから天使がカカシのハートめがけて得意の弓を発射したらしく、カカシは一瞬で恋に落ちてしまいました。
「にぃちゃん!!手をはなすってば!!」
そういって、ナルトがさっと行商人からカカシを奪うようにして助けます。
「あ・・・ありがとうございます」
フラッと倒れこむようにナルトに背を向け、周囲に向かって氷の一瞥を向けます。
「おなかをすかせた子たちに、リンゴを買ってあげたんですが・・・なぜはこの男の方に掴まれて・・・」
むせび泣くようにナルトにしがみつきつつ、ナルトの視線を掻い潜って周囲に殺気送りまくりつつ。さりげなくナルトのボディをタッチするカカシは、周囲にとっては恐怖の象徴でしかありません。
「いくらこの人がキレイだからって、乱暴はよくないってばよ!!ねぇちゃん?この近くに俺の家があるってば!行こう?」
己よりはるかに長身なカカシを抱えるようにして立ち上がらせて、怒った顔を行商人に向けつつ、ナルトはカカシを連れてその場を後にするのでした・・・
その際、下を向いていたカカシの顔を見た者は恐怖に震え、気づいていないナルトに視線だけでなにか伝えてやろうと試みてみたり、憐れんで涙したり・・・
その場はしばらく混沌とした空気になり、行商人はリンゴ一個で事が済んだことに非常に安堵したそうです・・・





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