びじょ(?)と野獣4

「ほうっといてやってくれ!!ナルトにはナルトの幸せが!!」
叫ぶようにいう火影に道をふさがれ、サスケが立ち止まる。
「じぃさん!!あいつは今まで俺のプロポーズを気持ち悪いとか何とか言っといて、なんで野獣とくらそうとしてんだよ!!俺より野獣のほうがいいっていうのか!!」
そういって、サスケは火影をさっさとよけて進んでいく。
「やめておけ!!お前ではあいつに勝てんぞ!!」
若者たちが自分の横をおもむろに通り過ぎる中で、火影は叫ぶ。
「フン!!この街一番のサスケ君になに言ってんのよ!」
周りで騒いでいる女子達が嗤いを含んで火影を見、羨望と傾倒の視線でサスケを見送る。
街は静けさを取り戻しつつ、殺伐とした空気の中でそぅっと風が吹きぬける。



「センパイ大変です!!攻撃を受けています!!」
一方の城では、なんやかんやとイイ感じでニヤニヤのカカシの寝室に唐突な報告がカカシに告げられた。
「え〜・・・めんどうだなぁ・・・とりあえず、やっつけといて?」
そういって、カカシはスヤスヤ眠るナルトを抱っこして寝室に消えて行った・・・
「♪〜・・・」
聞こえるのは上機嫌なカカシの不気味な鼻歌と、大勢の男集団が城に向かって歩いてくる音だけ・・・
「・・・センパイ・・・燭台的暗部の俺にナニができると・・・?」
悲しそうにトホホとでもいうように肩を落とすヤマトが、さっさと部屋の前から消え、玄関ホールにいるたくさんの使用人に戦闘態勢に入るように指示を出す。
『ドーン!!ドーン!!』
大きな何かで玄関のドアを破ろうとする音が鳴り響く。
「みんなドアをかためろ!!侵入者を許すな!!」
叫ぶように指示を出し、それに呼応して大型の家具たちがなんとか全体重を使ってドアを抑える。
「ドアが・・・破れる!!」
クローゼットの使用人が声をかけると同時に、小型の家具達は所定の位置につく・・・
「ヨシ!!みんな!!普通の家具のフリをして油断させるんだ!!」
玄関ホールでの戦いが幕をあける・・・


一方・・・
『ドーン!!ドーン!!』
大きな木でドアを家破ろうとする男たちは、総出でドアに木をぶつけていた。
「もう少しだ!!」
誰かが叫ぶとほぼ同時に、先ほどまで押さえられていたかのようにかたくなに破れなかったドアが、開いた。
「いけぇぇぇぇぇ!!」
怒号と共になだれ込む男たちが目にしたのは、たくさんの家具。
玄関ホールには似つかわしくない優雅さに欠ける物の詰まった狭さ・・・
見回す男たちは、ふと気付く・・・
「・・・かすかに・・・うごいて・・・る?」
誰かの声を合図に、家具たちは一斉に男たちに襲いかかった
「ギャーーーーー!!!!!」
それぞれに家具に襲われて混乱しつつもなんとか逃げだす男たち。
使用人たちはそれぞれにニヤッとした笑いを浮かべつつ、大喜びでキャッキャとはしゃぎまわるのでした・・・


主人に危険が迫っているとも・・・
つゆしらずに・・・








[ 13/22 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -